2013 Fiscal Year Research-status Report
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24520811
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
春田 晴郎 東海大学, 文学部, 教授 (90266354)
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Keywords | 西アジア / イラン |
Research Abstract |
本研究全体の目的として、イラン・イスラーム共和国スーサ博物館に所蔵される新エラム王国時代の資料およびエリュマイス王国の資料を研究調査し、また現状ではまったく国際的に知られることのない日本に所蔵される新エラム時代の銘文付き資料にもついても研究し、発表することを挙げた。そして2年目である平成25年度は、イランにおける所蔵資料の実見等や遺跡の現地確認し、研究者との関係維持、スーサ資料の研究を進めるとともに、日本国内所蔵の新エラム語資料についてあらためて確認し調査すること、を計画として掲げた。 このような計画に沿って研究を行ない、以下のような成果を得た。2013年12月~2014年1月の年末年始にはイラン・イスラーム共和国に出張し、テヘランの考古学博物館における資料の調査およびヤズド州での遺跡遺構の実見調査およびヤズド市内の貨幣博物館でのエリュマイス貨幣実見調査を行なった。また、6月には英文のハンドブックに寄稿したエリュマイス王国資料を含む総説が発行されている。日本国内においては、ヘレニズム~イスラーム考古学研究会においてエリュマイス王国とも密接に関連するパルティア語の書かれた銀製鉢の銘文を解読、発表している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
まずイラン・イスラーム共和国へは当初2回の出張を予定していたがビザ手続きの関係で夏の出張は見送り、またもう一回も春ではなく冬に行ない、地方の出張地もファールス州からヤズド州に変更した。しかし、テヘランの博物館での実見調査およびエリュマイス貨幣のイラン国内での有数のコレクションを所蔵しているヤズド市内の貨幣博物館での実見調査などは滞りなく行なえた。スーサ博物館での調査を今年度は見送ったが、その他の点においてはほぼ順調に進展している。 日本国内において、日本国内所蔵の新エラム語資料について調査する、という計画については、新たな成果発表こそないが未解読碑文の研究を進めており成果発表の目途は立った。その他の研究成果と合わせて、こちらもおおむね順調に進展していると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は最終年度であり調査研究を継続するとともにその成果も発表する。すなわち、博物館所蔵資料等の実見調査や日本国内で作業できないその他諸作業、をイランにおいて行なう。 日本国内においては、現地資料の解釈解読等研究を進めて、成果を発表する。日本国内所蔵の新エラム語資料についても、MIHO MUSEUM、古代オリエント博物館、平山郁夫シルクロード美術館所蔵資料について館と密接な連絡を取りながら成果を還元する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
外国出張2回を予定していたのが1回しか行なわなかったことなどの結果、約18万円の次年度使用額が生じた。 次年度使用額ならびに請求した助成金は、一部は関連書籍購入(消耗品費)にあて、一部は外国旅費に充当する予定である。今夏期にはイランに出張し関係資料を調査収集する予定である。また、国内旅費として1回は資料文献調査、もう1回は成果研究発表にあてる予定で、以上あわせて、次年度使用額および請求助成金を消化する。
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