2014 Fiscal Year Annual Research Report
19世紀‐20世紀初頭のイギリス支配下における鉱山調査と開発及び技師たち
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24520812
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
杉本 浄 東海大学, 文学部, 講師 (70536763)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 鉱山史 / インド近現代史 / 鉱山技師 / 技術史 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は近現代インドにおける鉱山開発史の体系化という大きな展望の下で、その基盤を形成することを目的とし、3年間の研究期間中に以下の2点を検討するものであった。 ①イギリスの植民地時代における鉱山開発の展開を、19世紀中の数多くの地質調査から20世紀初頭(第1次世界大戦前)の開発が活性化しはじめるまでの過程を精査し、世界の動きと連動させるとともに、②地質学、機械学、経営学といった当時の最先端技術や知識を有したヨーロッパ人技師と彼らの人的ネットワークについて検討してきた。 以上の2つのテーマにおいて長期的研究の端緒を開き、その基盤を形成するために、地道な文献収集と整理を大きな課題とした。 最終年である本年はこれまでイギリスの英国図書館やインド・オディシャー州の州立文書館で収集した文献史料の整理を行った。英領インド内および諸藩王国内にあった20世紀前後の開発鉱山名をデータ化し、取集した主にオディシャー地域に関わる開発ライセンスに関する書簡の項目を入力し、一覧化できるようにした。なお、3月にオディシャー州州立文書館に再度訪れ、個人史料に含まれる藩王国の鉱山関係資料を集めた。 鉱山技師に関しては史料収集に困難を極めた。そこで以前から関心を持って収集したエラスムス・H・M・ガワー(1830-1903年)に関して、英領ビルマ関連の鉱山関係の史料を一部集めた。したがって、①に関しては今後とも整理を急ぐ必要はあるものの、一定の成果が上がってきたが、②に関しては本期間中には明確な成果を示すことはできなかった。しかしながら、①のデータ化が進む中で技師の繋がりが見えてくると考えられる。今後、収集する史料にも工夫しながら、この課題を克服したい。 計画では、2年間の成果をまとめて最終年度で海外で発表する予定であったが、収集した文献の整理が追いつかず、今後できるだけ早い段階で発表できるよう努めたい。
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Research Products
(2 results)