2012 Fiscal Year Research-status Report
清末民国初期の中国の教育雑誌から見た日本近代教育の中国への影響
Project/Area Number |
24520818
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Shitennoji University |
Principal Investigator |
呂 順長 四天王寺大学, 人文社会学部, 教授 (40388591)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 国際研究者交流 / 国際情報交換 / 中国 / 日中交流 / 教育交流 / 資料調査 |
Research Abstract |
本年度は研究体制の確立と資料の収集がメイン作業であった。海外研究協力者4人の研究協力を得ることとなり、また資料の調査と収集の実施により、本科研に必要な資料の約5-6割が備わった。具体的な作業は次のとおりである。 1、平成24年8月22-23日に中国・浙江工商大学にて第1回研究打合せを行い、海外研究協力者(浙江工商大学王勇教授・王宝平教授・陳小法副教授、遼寧師範大学楊暁教授)に資料調査作業と研究の協力を依頼し、関連研究の動向・本科研の研究体制と実施方法などについて意見交換を行い、また研究メンバーによる関連の研究発表を行った。 2、上記の海外研究協力者の協力を得ながら、中国国家図書館・北京図書館・遼寧図書館・浙江図書館・上海図書館・南京図書館などで清末民国初期の中国の主な教育雑誌の日本教育に関する記事を調査・収集した。調査を行った主な雑誌は『学部官報』(学部図書局、1906-1911年)、『奉天教育雑誌』(奉天省教育会、1907-1926年)、『直隷教育官報』(直隷学務公所、1904-1911年)、『教育雑誌』(商務印書館、1909-1920年)、『中華教育界』(中華教育界雑誌社、1909-1920年)、『教育研究』(江蘇省教育会、1913-1920年)、『教育周報』(浙江教育会、1913-1919年)などである。上記の諸雑誌より合計約25000枚の資料を複製した。 3、『清末官報彙編』(全国図書館文献縮微複製中心、全78冊)などの資料集と本科研関連の図書を購入した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、清末民国初期の中国各地の教育雑誌に掲載された日中の教育交流や日本の教育事情などに関する記事を調査・収集し、その資料を活用し、近代において日本がどのように中国の教育近代化に影響をもたらしたかなど、清末民国初期の日中教育交流の実態をさらに実証的に解明しようとするものである。 初年度の今年は、研究体制の確立と、同教育雑誌中の日本教育関係記事の調査と収集がメイン作業である。平成24年8月22-23日に浙江工商大学で行われた第1回研究打合せの会議で予定されていた海外研究協力者4人の研究協力を得られ、計画通りに研究体制を作ることが出来た。また資料調査と収集もおおむね順調に進展しており、本科研に必要な資料の約6割が備わった。
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Strategy for Future Research Activity |
1、平成25年度 収集済みの資料を整理し目録と解題を作る。また資料調査計画に従い、中国国内の図書館(四川省図書館・重慶市図書館・湖南省図書館・湖北省図書館・広東中山図書館など)での調査を継続する。また収集済みの資料に対して可能な限り分析を行い、研究に備える。 2、平成26年度 研究メンバーが収集済みの資料を活用し、清末における日中教育交流実態の究明を目指して各自関心を持つテーマを設けて研究を行う。たとえば、日本の近代教育はどのような形と規模で中国の各地方の教育に影響を及ぼしたか、各地域の差がどのような形で現れたかなどを実証的な研究によりさらに明らかにする。また、出来る限り海外の研究協力者を2名ほど日本に招き、共同研究を行い、中間発表と意見交換を兼ねた研究討論会を行う。もし海外研究協力者の日本招聘が被招聘者の都合により実現できなかった場合、年度の後半に研究代表者の勤務校との間に学術交流協定が結ばれている浙江工商大学で、意見交換を兼ねた研究メンバーによる研究討論会を行う。 3、平成27年度 研究メンバーが収集済みの資料を活用し、「民国初期における日本教育の中国への影響」というメインテーマをめぐって、各自具体的なテーマを設けて研究を行う。清末における中国の教育改革は「日本モデル」で行われたが、民国時代以降、中国人は欧米諸国に目を向けはじめ、その関心が少しずつ日本から離れたとされて いる。本研究の一部として民国初期に日本が中国の近代教育に影響を与え続けた事例に基づき、その影響の実態をいっそう明らかにする。また海外の研究協力者を1-2名日本に招き、共同研究を行い、四天王寺大学または大阪市内で研究発表を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
予定されていた四川図書館と重慶図書館での資料調査が日程の都合により実施できなかったので、次年度に使用する予定の研究費がある。 次年度の研究費の使用計画は次のとおりである。(1)出張旅費:四川図書館・重慶図書館・湖南図書館・湖北図書館・広東中山図書館などで資料調査を行う予定である。(2)図書購入費:阿部洋監修『中国近現代教育文献資料集』(全12巻)などの関連図書を購入する。(3)資料複製費:各図書館で資料(10000枚以上と予想される)を複製する。(4)消耗品費:印刷用品など。(5)通信費:海外の研究協力者との通信連絡など。
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Research Products
(3 results)