2013 Fiscal Year Research-status Report
清末民国初期の中国の教育雑誌から見た日本近代教育の中国への影響
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24520818
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Research Institution | Shitennoji University |
Principal Investigator |
呂 順長 四天王寺大学, 人文社会学部, 教授 (40388591)
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Keywords | 国際研究者交流 / 国際情報交換 / 中国 / 日中交流 / 教育交流 / 資料調査 |
Research Abstract |
平成25年度は、資料の収集を継続しながら、平成25年度に収集済みの資料を整理しその目録と解題を作成するのはメイーン作業であった。研究協力者の協力を得ながら主に以下の作業を行った。 1、『湖南教育雑誌』『四川学報』『浙江教育週報』『教育週報』『湖南教育雑誌』『福建教育官報』『甘粛教育官報』『広東教育官報』『湖北教育官報』など計18種の教育関連雑誌から日本教育関係の記事を抽出し、その目録を作成し、さらにその一部の解題を作成した。 2、研究協力者の王宝平氏・楊暁氏の協力を得ながら、日本国内では東京の国会図書館、東京都立図書館など、海外では湖南図書館、遼寧図書館などで中国近現代日中教育関係の資料を調査・収集した。 3、収集済みの関連資料を活用し、研究代表者呂が「呉汝綸日本視学筆談記録」という題で9月13-16日に中国杭州市で行われた国際学術シンポジウム「東アジアにおける筆談の研究」で研究発表した。また同発表内容は近く刊行される予定の同シンポジウム論文集に収録される予定である。 4、研究協力者王宝平氏の来日を機に、今後の具体的な研究方法などについて意見交換し、近い研究を行っている若手研究者の力を借りるべく、日本の大学に在学する修士課程の学生二人を研究協力者として平成26年4月1日から本科研に参加していただくことにした。 5、中国近現代教育関係の文献や資料を多数購入し、関連の資料を多数複写した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、清末民国初期の中国各地の教育雑誌に掲載された日中の教育交流や日本の教育事情などに関する記事を調査・収集し、その資料を活用して、近代において日本がどのように中国の教育近代化に影響を与えたかなど、清末民国初期の日中教育交流の実態をさらに実証的に解明しようとするものである。 研究計画のとおり、初年度の平成24年度は研究体制の確立、同教育雑誌中の日本教育関係の記事の調査と収集を主に行った。平成25年度は、資料の収集を継続しながら、平成25年度に収集済みの資料を整理しその目録と解題を作成するなど、資料の調査と整理、さらに研究分析もおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
1、平成26年度 研究メンバーが収集済みの資料を活用し、清末における日中教育交流の実態の究明を目指して各自関心を持つテーマを設けて研究を行う。また可能な限り海外の研究協力者を2名ほど短期間日本に招き、共同研究を行い、中間発表と意見交換を兼ねた研究討論会を行う。もし海外研究協力者の日本招聘が被招聘者の都合により実現できなかった場合、年度の後半に研究代表者の勤務校との間に学術交流協定がある浙江工商大学で研究メンバーによる意見交換会を行う。前年度収集済みの未整理の資料を引き続き目録と解題を作成する。必要に応じて資料の調査を適宜行う。研究体制を強化するため、4月1日から研究協力者として趙瑞(同志社大学在学、修士課程2年、日中交流史を専攻)、張希(同)の二名に本科研に参加していただく。 2、平成27年度 研究メンバーが収集済みの資料を活用して、「民国初期における日本教育の中国への影響」というメインテーマをめぐって各自具体的なテーマを設けて研究を行う。清末における中国の教育改革は「日本モデル」で行われたが、民国以降、中国人は欧米諸国に目を向け始め、その関心が少しずつ日本から離れたとされている。本研究の一部として民国初期に日本が中国の近代教育に影響を与え続けた事例に基づき、その影響の実態をいっそう明らかにする。また海外の研究協力者を1-2名日本に招き、共同研究を行い、研究発表を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
予定されていた四川図書館と広東図書館での資料調査が日程の都合により実施できなかったことと、一部海外から購入する予定の図書の納期が遅れたことで、次年度に使用する予定の研究費がある。 1、年度内に未実施の図書館への資料調査を行う。 2、図書を購入する。
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Research Products
(5 results)