2014 Fiscal Year Research-status Report
出土資料調査からみたサーサーン式銀貨の流通実態の研究
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24520820
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Research Institution | Ancient Orient Museum |
Principal Investigator |
津村 眞輝子 (財)古代オリエント博物館, その他部局等, 研究員 (60238128)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | サーサーン朝ペルシア / 銀貨 / 初期イスラーム時代 / 西アジア / 中央アジア / シリア / 境界域 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の大きな最終目標は、サーサーン式銀貨がサーサーン朝ペルシア領域内外でどのように利用(模倣も含む)されてきたかを知ることにある。2014年度は、前年度までに収集した国内外のサーサーン式銀貨における後刻印、擦痕、墨書等の実地調査についてのデータのまとめに入った。既に国内調査の一部についてはBulletin of Ancient Orient Museumやヘレニズム~イスラーム考古学研究会にて「サーサーン式銀貨の後刻印再分類への試み」として報告している。海外調査としては、2013年度に実施したイギリスの大英博物館の調査が最も数量の多い情報であり、その最終的な分類を進めた。以上の実地調査とカタログ等によって収集した最新データをあわせて、サーサーン式銀貨の特に「後刻印」に焦点をあて、日本オリエント学会第56回大会において「サーサーン式銀貨における後刻印の再分類」として発表した。以上のサーサーン式銀貨そのものの調査と平行して、当時のサーサーン朝ペルシアと周辺地域の歴史的概観の把握にもつとめた。既に実施したインド、パキスタン方面のコインについての実地見学等に加えて、西側境界域、すなわちユーフラテス川領域におけるサーサーン朝ペルシアの実態を把握すべく、シリア北部の遺跡から出土するコインおよび関連資料についての再検討を行った。シリアにおける現地調査については現在非常に困難な状況にあるため、報告書や発掘後未発表資料についての資料を中心に考察を加え、ヘレニズム~イスラーム考古学研究会において発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
最終年度に予定していた中近東地域における調査および発表について、諸事情により現地への渡航および招聘等が年度内に遂行できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究期間を1年延期したことで、海外諸事情に鑑みながら、実施できなかった調査および発表等を進める。最終的な統括をするとともに、一般向けの公開の準備に入る。
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Causes of Carryover |
予定していた海外(中近東)の現地調査および招聘が諸事情により延期となったため、全体の総括に遅延が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
海外諸事情を鑑みながら調査を遂行し、統括する。
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