2013 Fiscal Year Research-status Report
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24520829
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
根津 由喜夫 金沢大学, 歴史言語文化学系, 教授 (50202247)
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Keywords | ビザンツ / 修道院 |
Research Abstract |
本年度は、当初は26年度に実施することを予定していたマケドニア共和国への調査旅行を前倒しで実施し、あわせて隣接するアルバニアのビザンツ・中世史蹟への調査も実行することができた。マケドニア共和国に関してはスコピエ周辺とオフリド周辺に調査を実施し、前者ではネレツィのパンテレイモン教会、スコピエ郊外の聖アンデレ教会、聖ニケタス教会、聖マルコ修道院など、12世紀から14-15世紀の教会・修道院を訪れ、後者ではオフリド市内の聖ソフィア聖堂、聖母ペリブレプトス教会のほか、クルヴィノヴォの聖ジョルジェ教会などを訪れ、調査を実施、あわせて文献資料の渉猟、取得にも従事した。これに加え、プリレプ周辺でも聖ミカエル修道院、トレスケヴェチ修道院、ヴァロシュの聖ニコラス教会を調査することができた。 他方、アルバニアでは、デュラス、アポロニア、ベラティ、エルパサンなどで調査を実施し、古代末期~中世後期の教会施設や都市史蹟について多くの情報を集めることができた。 これに加え、25年6月に刊行された『ビザンツ:交流と共生の千年帝国』(昭和堂)では共同編集を務め、6章「11世紀後半のドナウ流域地方―ペチェネーグ人との共生空間―」を執筆した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画とは順序が前後しているとはいえ、着実に実地検査が実行され、充実した調査データが獲得できたことを鑑みれば、研究はおおむね順調に進展していると評価することは可能であろう。とりわけ、今回の調査では当初から計画していたマケドニア共和国に加え、アルバニアの中世史蹟に関しても多くの知見が得られたことは十分、評価することができると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度については、まだ実行されていなかったウクライナへの調査旅行を当初、計画していたが現今のウクライナ情勢の緊迫化に伴い、計画変更の必要が生じている。そのため、現時点では、今回の研究計画の領域において比較研究の対象として有効と思われるルーマニア、ないしセルビアの中世東方正教会関係の史蹟調査に計画を変更することを念頭に調整している。ルーマニアに関しては、モルドヴァ地方の壁画教会群、セルビアに関してはドウシャン朝の君主たちの後援によって建立された中世後期の教会・修道院施設が主要な調査対象となる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
昨年度の海外調査を実施した後、、次年度の海外調査をより充実させることを念頭に、ある程度の金額を繰り越すことにした。 今年度夏季に比較的長期の海外調査を実施することを計画しており、そのための旅費を計上することにしている。
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