2012 Fiscal Year Research-status Report
コミンテルン・パンアメリカン・エイジェンシーの総合的研究
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24520833
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山内 昭人 九州大学, 人文科学研究科(研究院), 教授 (00124850)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 南北アメリカ史 / コミンテルン / パンアメリカン・エイジェンシー / カナダ共産党 |
Research Abstract |
初期共産主義インタナショナル(コミンテルン)の国際的活動で重要な役割を果たした在外ビューローのうち、コミンテルン・パンアメリカン・エイジェンシーに関して既に私は平成16~19年度にその基礎的研究を終えており、今回以下の2点を果たすことによって総合的研究をめざしている。 1)アメリカ、メキシコに次いで、カナダ及び南米での活動実態の解明が残されているのだが、南米については、コミンテルン本部に残された史料(大部分は収集済)の分析に注力する。カナダについては、関係史料を最近収蔵・公開することになった現地文書館への史料調査を本研究のメインと位置づけ、精力的に行う。 2)前回及び今回の研究を踏まえ、エイジェンシーの創設から解散に至る経過及び活動実態の全貌を明らかにし、エイジェンシーの功罪を問い、ひいては初期コミンテルンが指導する越境する在外活動の問題点の摘出に努める。 以上のうち、平成24年度は第1点目のカナダでの史料調査にほぼ全力を注ぎ、当初見込んでいた予備調査以上の、本格的な調査に迫るほどの史料調査が実現した。その上、持ち帰った史料の整理を済ませた上での読破も果たされた。 読破したばかりの史料の中から重要データをパソコン入力した上での分析は、平成25、26年度の作業だが、以下に現段階での研究の見通しを述べておく。すなわち、コミンテルンとカナダ共産党創立との関係については近年、カナダの研究者によって解明されつつあるのだが、彼らにとってはあくまでカナダ共産党創立の解明が重要であって、それとのコミンテルの関係解明は第二義的なものになっている。けれども、同党創立にとってコミンテルン中枢の果たした役割は決定的であり、その在外機関であるパンアメリカン・エイジェンシーが同党創立に実際どのように関与したかなど、初期コミンテルンの全体史の中でより具体的に捉えられる可能性が高まった、と考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度の夏休み前半に、これまで収集してきたコミンテルン・パンアメリカン・エイジェンシー関係史料および新たに収集したカナダの学会誌『労働者』掲載の関係史料・研究を網羅的にチェックし、必要データのパソコン入力を済ませた。 その上で、9月に2週間、オタワの国立カナダ図書・文書館を訪れ、同館がモスクワのロシア国立社会・政治史アルヒーフ(ルガスピ)から複製マイクロフィルムで入手したコミンテルン関係史料の中からパンアメリカン・エイジェンシーに関する史料の調査・収集を行った。主にデジカメで約3,000点のデータを入手でき、計画当初の段階で予備調査と位置づけていた以上の史料収集が果たせた。 年度後半は、それらのデータの印刷・整理を行った上、年度末までにほぼ全史料を読み終えた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度初め、24年度に読破した全史料の中から重要なデータのパソコン入力を済ませることにする。それを踏まえて、9月中旬の1週間、オタワの国立カナダ図書・文書館を再訪し、前年度に調査漏れの史料の調査・収集に努め、続く1週間はワシントンD.C.の国立公文書館および議会図書館を再訪し、これまでも収集してきた司法省捜査局(FBIの前身)、陸軍省軍情報部、アメリカ共産党(アメリカ共産党カナダ支部を含む)関係の膨大な史料を、今回はその最終段階として調査・収集することをめざす。 これらの作業によって、今回の科研費による研究に必要な史料は、ほぼ網羅的に収集し終えることの見通しが立てられる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
上記のように、2週間のオタワおよびワシントンD.C.の文書館および図書館による史料調査に半分以上の研究費が費やされる予定である。 残りの予算については主として、南北アメリカ、とりわけカナダの社会主義・共産主義運動はもとより社会運動全般に関する日本の図書館による収集は不十分であり、本研究の初年度でも心がけてきた当該史料集および研究書の購入に充てる予定である。
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Research Products
(1 results)