2013 Fiscal Year Research-status Report
コミンテルン・パンアメリカン・エイジェンシーの総合的研究
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24520833
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山内 昭人 九州大学, 人文科学研究科(研究院), 教授 (00124850)
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Keywords | 南北アメリカ史 / コミンテルン / パンアメリカン・エイジェンシー / カナダ共産党 / 片山潜 / アメリカ共産党 / メキシコ共産党 |
Research Abstract |
平成24年度に引き続き、カナダ・オタワの国立中央文書館(Library and Archives Canada)での史料調査を行い、完了した。海外現地調査の後半は、ワシントンD.C.の国立文書館(NARA)及び議会図書館(LC)を訪れ、前者ではFBIの前身、捜査局(BI)及び陸軍情報部(MID)による共産主義運動関係報告書類及び添付史料を、また後者では一部がデータベースとして利用できるモスクワのコミンテルン文庫史料をそれぞれ閲覧し、大量のコピーを入手できた。 2年間にわたる現地史料調査で十分に史料が収集でき、それらの閲覧及び重要史料のパソコン入力を完了した。 その作業を踏まえて、本年度はA4版で175頁に及ぶ研究成果中間報告書をすべて英文でまとめることができた。中身は二部に分かれ、第一部は平成16~19年度のコミンテルン・パンアメリカン・エイジェンシーの基礎的研究で精選・編集した35点の重要史料に今回カナダ関係及び財務報告書の重要史料13点を加えことができ、全面的に改訂・増補したヨリ総合的な史料集となった。第二部は上記基礎的研究を踏まえ、平成22年3月に公刊した英文論文「初期コミンテルンとアムステルダム・ニューヨーク・メキシコシティ」を改訂して再録した。 本年度は、本中間報告書の作成に力を注いだために、学術雑誌への論文投稿はできなかったけれども、中間報告書がまとめられたことによって、平成26年の最終年度に、カナダ関係及び財務報告書を中心に論文を作成し、前回の基礎的研究と合わせて「総合的」研究を果たすことがヨリ可能となった。 なお、年度末に上京し、東京大学及び一橋大学の各図書館にて関連学術雑誌の最新号を網羅的に調査して、最新の研究状況に関する情報を集めることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上述のように、現地史料調査を2年間かけて関係史料の網羅的収集を果たし終えた。 それら収集した合計5,000点を超える史料も既に読破でき、その上に研究成果中間報告書を関係重要史料の増補・改訂を中心にまとめることもできた。
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Strategy for Future Research Activity |
残るは、カナダ関係及び財務報告書を中心とした論文を作成し、学術雑誌への投稿を果たし、それと先に行った基礎的研究による成果を合わせて「総合的」研究を果たすだけである。 万一史料漏れのおそれもなきにしもあらずなので、次年度後半の時期にカナダかアメリカ合衆国への短期の海外出張を計画に入れておきたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
年度末に東京出張を行い、精算払いによるその額が決定した時点で、残った少額を使用できなかったため。 少額のため、物品費で消耗品を購入の予定。
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