2015 Fiscal Year Annual Research Report
1950-1960年代のソ連における国家と社会の「協働」 その理念と実態
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24520837
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Research Institution | Hokkai-Gakuen University |
Principal Investigator |
松戸 清裕 北海学園大学, 法学部, 教授 (10295884)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | フルシチョフ / ソ連 / 国家と社会 / 協働 |
Outline of Annual Research Achievements |
1950~1960年代のソ連における国家と社会の「協働」の理念と実態を明らかにすることを目指した本研究課題において主要な対象の一つとしたのは、当時重大な課題となっていた犯罪との闘いにおける「協働」であった。このテーマについてはすでに「一九五〇~六〇年代のソ連 ある自警団員殺害犯の特赦申請をめぐる議論からみえてくるもの」(中嶋毅編『新史料で読むロシア史』山川出版社、2013年3月)および「『共産主義建設期』のソ連における犯罪との闘いと身柄引き受け 国家と社会の「協働」の観点から」(『ロシア史研究』第93号、2013年11月)を発表していたが、2015年8月に幕張で開かれたICCEES IX World CongressにおいてBetween State and Society: Soviet obshchestvennost’ in the “Building Communism” eraと題する報告をおこなった。また、これらの成果に基づくものとして‘Obshchestvennnost’ in the Struggle against Crimes: The Case of People’s Vigilante Brigades in the Late 1950s and 1960s’(Yasuhiro Matsui ed., Obshchestvennost’ and Civic Agency in Late Imperial and Soviet Russia: Interface Between State and Society, Palgrave Macmillan, 2015)も発表した。 これと並行して、ソヴェト政権が国家と社会の「協働」を実現しようとした背景を描くことを意識して、1956年の第20回ソ連共産党大会当時の政権の現状認識に注目した「ソ連共産党第二〇回党大会再考 一九五六年七月一六日付中央委員会非公開書簡に注目して」(池田嘉郎・草野佳矢子編『国制史は躍動する ヨーロッパとロシアの対話』刀水書房、2015年10月)も発表した。
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Research Products
(1 results)