2014 Fiscal Year Annual Research Report
「貯蔵」と「加工」から見る東アジア農耕導入期の野生植物食料利用の実態とその変遷
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24520876
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
細谷 葵 お茶の水女子大学, グローバル人材育成推進センター, 特任講師 (40455233)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 大 立命館大学, グローバル・イノベーション研究機構, 専門研究員 (50296787)
楊 平 滋賀県立琵琶湖博物館, 研究部, 学芸職員 (50470183)
渋谷 綾子 国立歴史民俗博物館, 研究部, 特任助教 (80593657)
岡内 三真 早稲田大学, 文学学術院, 名誉教授 (90093210)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 植物考古学 / 民族考古学 / 東アジア / 新石器社会 / 野生植物利用 / 植物加工技術 / 貯蔵文化 / 社会の多様性 |
Outline of Annual Research Achievements |
【最終年度の成果】最終年度は、本研究の成果まとめおよび発信の年として位置づけており、ほぼその予定通りの活動を行った。 (1)考古学調査における研究成果の発信としては、日本の北東北地方・縄文前期~後期遺跡の調査の成果について、細谷、渋谷の2名が国際学会「6th Worldwide Conference of the Society for East Asian Archaeology」(モンゴル国立大学)にて口頭発表を行い、国際的なフィードバックを得た。 (2)民族調査における研究成果の発信としては、楊が主担当を務めた滋賀県立琵琶湖博物館第22回企画展示「魚米之郷-太湖・洞庭湖と琵琶湖の水辺の暮らし」(7月19日~11月24日開催、来場者人数:37,227人)に、本研究が協賛の形で参加、楊・細谷が中国での民族調査の成果を生かした論考を、展示図録に寄稿した。また関連記事を中日新聞(2014年8月30日)に寄稿した。 (3)本研究全体の成果をまとめた成果報告書を出版した。
【研究期間全体の成果】本研究は、「加工」と「貯蔵」という視点によって東アジア新石器時代社会における食料戦略の実態、特に野生植物食料資源の利用の様相とその変遷について、採集社会・農耕社会という二項対立を超えた新しい理解を得ること、その中で、食料戦略と社会組織や精神文化との結びつきを明らかにすることを目的とした。研究方法は植物考古学・民族調査を2本の柱とし、前者では日本の北東北地方の縄文遺跡を対象に、植物遺存体(残存デンプン粒、大型植物遺体)を基盤資料、人工遺物・遺構の多変量解析を副資料として社会組織の変遷・多様性を復元するという、新しい試みを成功させた。後者では、植物の伝統的加工・貯蔵法に関する日本の既存民俗誌を国際的視野から再考するとともに、これまで同様の民族誌の蓄積がなかった中国におけるデータ収集を実現させた。
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Research Products
(48 results)