2014 Fiscal Year Research-status Report
古墳時代における渡来系集団の出自と役割についての考古学的研究
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24520880
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Research Institution | Kashihara Archaeological Institute , Nara prefecture |
Principal Investigator |
坂 靖 奈良県立橿原考古学研究所, 附属博物館学芸課, 総括学芸員 (30250377)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 咲 奈良県立橿原考古学研究所, 調査課, 主任研究員 (00470279)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 渡来系集団 / 韓式系軟質土器 / 陶質土器 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、奈良盆地における韓式系軟質土器・陶質土器集成データベースに追加・修正を加え、渡来系集団に関連する遺物である土製品(移動式竈・鍋、土製竈枠、煙筒形土製品)のデータベースの追加をおこなった。また、分布図作成のためのベースマップの作成をおこなった。資料調査として、八尾市埋蔵文化財センターで八尾南遺跡、東大阪市埋蔵文化財センターで鬼虎川遺跡出土韓式系土器、群馬県埋蔵文化財調査事業団で温井遺跡・吹屋糀屋遺跡、高崎市立観音塚考古資料館で剣崎長瀞遺跡、大阪府教育委員会調査事務所で蔀屋北遺跡出土韓式系土器、大阪文化財研究所出戸収蔵庫で長原遺跡、歴史に憩う橿原市博物館で西新堂遺跡、高取町歴史研修センターで清水谷遺跡、桜井市埋蔵文化財センターで纒向遺跡・阿部寺遺跡・上ノ宮遺跡のそれぞれ韓式系土器の調査をおこなった。さらに、九州大学でおこなわれた山の神古墳研究会に参加するとともに、九州国立博物館で韓国国立公州博物館所蔵の武寧王陵の資料と、それに関わる国内資料の関連展示があり、九州大学所蔵の番塚古墳出土の鳥足文土器などを熟覧して、九州出土の渡来系遺物や韓式系土器について検討もおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、海外での資料調査はできなかったが、それを国内の資料調査で充当し、新資料を加えたデータベースの作成を完了した。ほぼ目的の朝鮮半島系の渡来系集団に関わる資料の検索と集成は完了したので、次年度にこれを詳しく検討し、最終報告をおこなう。
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Strategy for Future Research Activity |
検討課題に照らし、追加の資料調査を実施したうえで、報告書の作成・印刷をおこなう。奈良盆地を中心とした地域の古墳時代における朝鮮半島系渡来集団の出自についての検討を、基礎資料の公開とともに詳細な考察で、明らかにする。
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Causes of Carryover |
本年度は海外で資料調査をおこなう予定であったが、国内での資料調査をおこなってそれに充当した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度に追加の資料調査をおこなうのに加え、最終年度の報告の印本費が不足していたのでそれに充当する。また、分析資料のカラー印刷などに充当する。
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Research Products
(2 results)