2014 Fiscal Year Research-status Report
前期古墳出土鉄製小札革綴甲冑の復元的研究-黒塚古墳出土品をモデルとして-
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24520881
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Research Institution | Kashihara Archaeological Institute , Nara prefecture |
Principal Investigator |
卜部 行弘 奈良県立橿原考古学研究所, 企画部資料課, 総括研究員 (70260370)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 敏典 奈良県立橿原考古学研究所, 調査部調査課, 総括研究員 (20301004)
奥山 誠義 奈良県立橿原考古学研究所, 企画部資料課, 主任研究員 (90421916)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 三次元計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、東アジアにおける3世紀から4世紀にかけての鉄製小札革綴甲冑の系譜関係および流通関係を明らかにすることである。この目的を遂行するために、これまでに①黒塚古墳出土甲冑の三次元レーザ計測、②黒塚古墳出土小札革綴冑の復元品の設計と試作品製作、③黒塚古墳出土小札革綴甲の復元品の設計と試作品の部分製作、④黒塚古墳出土小札に付着する獣毛状有機物の分析、⑤類例調査を実施している。 平成26年度は、本研究の目的を遂行するための大きな柱である黒塚子古墳出土小札革綴甲冑の復元品製作に取り組んだ。小札革綴冑については試作品段階でおおよその確証性を得ているが、小札革綴甲については復元案の小札枚数と実際の出土小札枚数の間で大きな差があり、問題を有していた。そこで出土原品の全点について、接合関係、綴じ方、穿孔方法につい悉皆調査を実施した。その結果を元に復元案を再検討したが、いまだ成案には至っていない。 上記の調査と並行して、類例調査を二件実施した。一つは香芝市城山2号墳出土小札革綴甲の三次元レーザ計測とエックス線透過撮影による調査である。本例はこれまでに実測図が公表されているものの、出土状態のまま取り上げられているため、表面以下の情報については皆無であった。エックス線調査の結果、表面以下に別の小札は見出せず、甲を展開した状態で副葬したことが明らかとなった。また小札以外の部材は見出せなかった。今一つは九州地方で出土している二例についての調査である。その結果、小札のサイズには黒塚古墳と差がみられるものの、基本的な綴じ方については同じであることを確認した。 次年度は、これまでの成果をもとにして改めて復元案と復元品の製作に取り組み、研究の目的を達成したい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
実際の接合関係から小札革綴甲の復元案を作成したが、出土実数と大きな開きがあった。そこで全品の悉皆調査を実施したが、実際の接合関係との乖離を埋めることはできず、復元案の成案には至っていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
小札革綴甲について復元図作成、試作品製作を早急に進める。そのうえで樹脂製の完成品を製作する。復元作業については、研究分担者、研究協力者との調整を図り、意見を統一したうえで作業を進める。作業の進行に合わせて研究会を開催し、広く意見を求めて復元作業に取り入れる。また、類例調査を行い、資料の蓄積をもとに復元作業を進める。
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Causes of Carryover |
昨年度までに小札革綴甲冑の復元案と試作品を製作したが、復元案の使用数と出土実数とで大きな開きがあった。そこで今年度は出土品の再検討を悉皆的に実施したが、復元の成案には至っていない。結果として樹脂成型の外部委託を発注できず、未使用額が発生することとなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は復元の成案を取りまとめて、樹脂成型の外部委託を発注し、当初の目的を達成する。
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