2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24520884
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
岩鼻 通明 山形大学, 農学部, 教授 (20167282)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 映画祭 / フィルム・コミッション / コミュニティシネマ / フィルム・マーケット / 地域活性化 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は日韓の映画祭へ積極的に参与観察にでかけて、比較考察に努めた。韓国では、5月の全州国際映画祭、6月のソウル国際女性映画祭・ソウル国際愛映画祭・インディフォーラム映画祭、7月のプチョン国際ファンタスティック映画祭、8月の堤川国際音楽映画祭・ソウル国際青少年映画祭・EBS国際ドキュメンタリー映画祭、10月の釜山国際映画祭に参加。日本では 7月の福岡アジア映画祭、10月の京都国際映画祭・東京国際映画祭、11月の地方の時代映像祭などに参加した。 また、ソウルでは、独立系の映画を上映するミニシアターにおける映画上映を鑑賞し、東京や大阪、さらには鶴岡などの日本のミニシアターと比較考察を行った。10月の釜山および東京では映画祭期間中に開催されたフィルム・マーケットの参与観察も実施して、日韓の比較考察を試みた。 日本の映画祭の財政事情は詳細なデータの収集が困難であったために、日韓相互の詳しい比較検討は十分にはできなかったが、総じて韓国の映画祭は公的補助が大きな比重を占める一方で、日本の映画祭は多方面からの支援で成り立っていることが明らかになった。 日本において、映画祭などへの公的補助が拡大される可能性は乏しく、逆に縮小方向に向かうと予想されることから、とりわけ地方の映画祭を通した地域活性化は今後の困難が想定される。ただ、韓国においても、保守政権下で、映画祭への検閲が強化されつつあり、公的助成についても見直しが進む予兆が現れはじめており、前途多難であるといえよう。 20世紀末から2015年までは、映画産業が日韓ともに地方の活性化に大きく寄与した時代であったといえるが、その方向性が変化してくる前兆がみえはじめたことも、本研究の成果のひとつといえよう。
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