2015 Fiscal Year Annual Research Report
成熟住宅地の持続的発展に向けた環境整備に関する地理学的研究
Project/Area Number |
24520887
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Research Institution | Kyoto University of Education |
Principal Investigator |
香川 貴志 京都教育大学, 教育学部, 教授 (70214252)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 成熟社会 / 少子高齢社会 / 成熟住宅地 / ニュータウン / 持続的発展 / バリアフリー / 住宅再開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度である平成27年度は、研究成果の口頭発表、補足調査ならびに過年度分の研究成果(公刊されていない研究途上のものを含む)を対象地域の関係者に還元する作業が中心となった。具体的な内容を記すと次のようになる。 (1)成熟住宅地における近未来の都市像に関する日本・中国・北米の比較研究の成果報告(於.中国上海・華東師範大学=交通費は先方負担のため旅費を節約できた)、(2)千里ニュータウン桃山台地区におけるヒアリング協力者への個別訪問による成果の説明(大阪での非常勤時に実施して旅費節約)、(3)レッチワース(英国)、バンクーバー(カナダ)、クライストチャーチ(NZ=追加調査地)を訪問しての成果説明と資料収集、(4)学会(日本都市学会)を活用しての専門知識の受け取り、(5)千里ニュータウンとの比較考察に不可欠な多摩ニュータウン中央地区を中心としてバリアフリー並びに通勤経路の動線調査、これらのうちクライストチャーチと多摩ニュータウンについては当初予定していた研究内容には現段階で比較対象として盛り込めるには至っていない。 先方負担や別経費での移動時を活用したことで捻出できた経費で、故障して修理が多額になると見積もられたPC(ノート型B4サイズ)を格安かつ高スペックのデスクトップ機へ更新した。また当初の調査対象地域にクライストチャーチを加え、地震の被害を大きく受けていない成熟住宅地を現地調査し、住宅の構造(木造平屋)が被害軽減に貢献したことを確認できた。これらは今後の研究にも資するところが非常に大きい。 研究期間全体では査読雑誌への掲載は果たせなかったものの、別経費(他の科研費)とあわせて2冊の書籍の公刊、啓蒙雑誌への複数論文の掲載による一般社会への還元、複数の国際学会での口頭発表など、社会還元については当初の目的をほぼ達成できた。
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