2013 Fiscal Year Research-status Report
多様化するインド人ディアスポラのグローバルネットワークと場所の再構築
Project/Area Number |
24520888
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
澤 宗則 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (40235453)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南埜 猛 兵庫教育大学, 学校教育研究科(研究院), 准教授 (20273815)
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Keywords | インド系移民 / グローバル化 / 在日インド人社会 / 社会地理学 / グローバルシティ / ディアスポラ / コミュニティ |
Research Abstract |
エスニック集団が「自分たちの場所」を再構築する過程に関し、近代性に関する理論を援用して、在日インド人社会の空間がグローバル化のもとで再編成される過程を脱領域化と再領域化の概念を用いながら考察する。日本におけるインド人移民社会に関して、その位 置付けと特色を明らかにした。 東京では現在言語集団ごとにいくつかのインド人コミュニティが立ち上がりつつある。その設立総会に参加したカルナータカ州出身者の行事などに引き続き参加(参与観察)するとともに、個人への詳細なライフヒストリーおよびメンタルマップの聞き取りを行う。ま た、以前より聞き取り調査を行っているインド人に対し、引き続き追跡調査を行った。横浜では、インド資本の誘致が強力に行われ、その一環としてインド人学校が決定し、開校した。ここで行政主導によりどのようにインド人集住地が形成されるのか、あるいは形成されないのかに関し、集住地を成立させる条件について考察を行うとともに、コミュニティ成立の追跡調査を行った。神戸では、伝統的な宗教行事が行われ、あたかも出身地でのインド社会そのものの再現の感がある。しかし神戸生まれのインド人が多くなるにつれて、エスニシティの持つ意味はそのまま継承されるのではなく、常に新しい意味を再生産されながら現在意味のあるものは残り、そうでないものは消えてゆく。その創造的破壊のプロセスを歴史的に見てゆくことにより、インド社会から定住地でのインド社会へどのように発展・変化してゆくのかを分析した。 これらの成果として、SAWA Munenori (2013): Spatial Reorganisation of the Indian Community Crossing Border :A Case Study of the Global City Tokyo. Japanese Journal of Human Geography, 65-6,508-526. (人文地理 65-6)(査読付き)が掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
SAWA Munenori (2013): Spatial Reorganisation of the Indian Community Crossing Border :A Case Study of the Global City Tokyo. Japanese Journal of Human Geography, 65-6,508-526. (人文地理 65-6)(査読付き)が掲載されたため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、在日インド人社会の変化に関する現地調査を行う。オールドカマー中心の神戸、IT技術者の多い東京、さらに近年最も新しいインド人集住地としての横浜でのフィールドワークを引き続き行う。これらの成果を学会誌に投稿する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
紙媒体で購入する予定だった統計書が、インターネットで無料で入手が可能になったため。また、従来は現地の自治体へ直接出向き、コピーして入手しなければならなかった統計が、同じくインターネットで入手が可能となったため、予定していた金額よりも少額で済んだため。その分は、来年度は作図ソフトと統計ソフトを購入する予定である。 上段で節約できた分は、来年度は作図ソフトと統計ソフトを購入する予定である。
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Research Products
(6 results)