2014 Fiscal Year Research-status Report
多様化するインド人ディアスポラのグローバルネットワークと場所の再構築
Project/Area Number |
24520888
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
澤 宗則 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (40235453)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南埜 猛 兵庫教育大学, 学校教育研究科(研究院), 教授 (20273815)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | インド / 移民社会 / グローバル化 / グローバルシティ / ディアスポラ |
Outline of Annual Research Achievements |
エスニック集団が「自分たちの場所」を再構築する過程において、A.Giddensの近代性(modernity)に関する理論を援用して、在日インド人社会が再編成されている現状を分析した。グローバルシティとして、東京におけるインド人はIT技術者とその家族を中心に増加し、日本最大のインド人集住地である東京都江戸川区西葛西を中心に、インド人学校・インドの寺院の建設や日本人によるインド人街の設立への模索など新たな動きが認められた。 一方、従来からの伝統的なインド人集住地である神戸市の北野においては、インド人商人とインド料理店経営者とその家族が中心となっているが、ここでも近年ネパール人によるインド料理店の増加が認められる。インド人料理人経営者のインド料理店とネパール人経営のインド料理店とは、料理の質(何を持ってインド料理とするのか)の大きな違いがあり、またお互いが競争相手でもあり、軋轢を生みつつある。二つの国の料理店経営の方針は大きく異なり、それぞれ母国との関連性の差異が大きく関わっていることがわかる。 これらを調査分析した結果、次の成果が得られた。 澤宗則(2015)「グローバル化にともなう空間の再編成ー脱領域化と再領域化の両義性」岡橋・友澤編『現代インド4 台頭する新経済空間』東京大学出版会、澤宗則(2015)「インド系移民」『世界民族百科事典』丸善出版の2冊が刊行され、また南埜・澤「リーマンショック後のインド系移民の動向」(2014年度地理科学学会春季学術大会)の学会発表を行うことができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
澤宗則(2015)「グローバル化にともなう空間の再編成ー脱領域化と再領域化の両義性」岡橋・友澤編『現代インド4 台頭する新経済空間』東京大学出版会、澤宗則(2015)「インド系移民」『世界民族百科事典』丸善出版の2冊が刊行され、また南埜・澤「リーマンショック後のインド系移民の動向」(2014年度地理科学学会春季学術大会)の学会発表を行うことができた。これらの成果は、当初の計画以上に進展していることを示したものである。
|
Strategy for Future Research Activity |
引き続き、日本における最大のインド人集住地である東京のインド人社会、古くからの伝統的インド人集住地である神戸市北野におけるフィールドワークと統計分析を行う、これらの分析結果を学会発表を行うとともに、論文で発表を行う予定である。
|
Causes of Carryover |
外国人居住者に関する統計資料を現地の役所に行って直接入手しなくても、メールで直接データの受け渡しが可能となり、国内旅費を軽減することができたためである。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
統計処理用のソフトウエアーの購入を行う予定である。
|
Research Products
(3 results)