2013 Fiscal Year Research-status Report
発展途上国の農村開発研究への地理学的アプローチ:貧困削減と環境保全の両立に向けて
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24520900
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
牧田 りえ 立教大学, 21世紀社会デザイン研究科, 特任准教授 (20585450)
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Keywords | 農村開発 / 貧困削減 / 環境保全 / フェアトレード / 有機農業 / 開発地理学 / 農村地理学 / 手段・目的関係 |
Research Abstract |
1.新規論文草稿の作成:本プロジェクトの最終目標である論文の草稿を、来年度の学会発表に向けて執筆した。また、その準備として行なった文献調査に基づくレビュー論文を執筆し、同論文はタイの大学出版会から刊行された出版物におさめられた。 2.国内・海外研究者との意見交換:京都で行なわれた国際地理学会において「認証農業と生計多様化の関係性」について、タイで行なわれた国際ワークショップにおいて「フェアトレード運動と環境保全の関係性」について、それぞれ発表し、他の参加者から貴重な意見をいただいた。次年度、上記1の論文草稿の発表と意見交換を行なうために国際地理学会ポーランド会議及び5th International Conference of the Asian Rural Sociological Association (ラオス)にアブストラクトを提出し、共に受理された。 3.英文書籍用原稿の執筆:Edward Elgar Publishingより2015年1月に出版予定の書籍The Handbook of Research on Fair Tradeに寄稿の依頼を受け、論稿(Fair Trade and Plantation Workers in Asia)の草稿を編者に提出し、これが受理された。同書籍には世界10カ国からフェアトレード研究の第一人者たちが参加するため、出版作業自体が貴重な研究者交流の場となっている。 4.海外現地調査の実施:昨年度より、農村貧困層が関与する薬草の収集・栽培・販売・利用について情報収集を行なっているが、本年度はインド・タミルナドゥ州及びケララ州にて2回の現地調査を実施した。当初、調査地として南アフリカを検討していたが、見積費用が予算を大幅に上回ることが判明したため、より近距離でより多くの情報を入手可能なインドに最終的に決定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
・国際地理学会の大会が国内で開かれたために、渡航費用の節約ができ、タイで行なわれた国際ワークショップへ追加で参加することが可能になった。 ・新しい論文を構想し、かつ英語で執筆することは個人研究では容易なことではないが、時期、内容ともに適切な国際学会を選ぶことができ、そこでの発表を目標として設定することができた。 ・本プロジェクト開始当初は全く予期していなかったことだが、フェアトレード研究の第一人者Prof. Laura Rayholdsから書籍出版プロジェクトへの誘いをいただき、海外研究者との意見交換という本プロジェクトの一つの目的をより効果的に進めることができるようになった。
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Strategy for Future Research Activity |
1.海外研究者との意見交換:すでに口頭発表が受理されている国際学会(Regional Conference of the International Geographical Union 2014及び5th International Conference of the Asian Rural Sociological Association)や他の学会の発表セッション及びその他の交流機会を活用し、同じ関心領域を持つ地理学者、農村研究者らと意見交換を行なう。 2.新規論文の加筆修正:上記の学会発表・研究者交流を通じて得られた知見を本プロジェクトを総括する論文の草稿に反映させ、国際ジャーナルに投稿できるレベルにまで仕上げる。 3.現在出版準備中の書籍用原稿(英文)を完成させる。 4.海外現地調査のまとめ:前年度までに計3回インドで実施した、薬草をめぐる貧困層の生計に焦点を当てた短期現地調査の結果を適宜上記論文に反映させるとともに、同調査結果に基づいて新たな研究計画を策定する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
年度末に実施した現地調査(インド・ケララ州)に要した費用の一部の精算が年度内に間に合わなかったため。 1.すでに実施済みだが次年度の研究費として使用する項目:年度末に実施した現地調査(インド・ケララ州)に要した費用の一部は精算が年度内に間に合わなかったため、次年度に繰り越した分から使用する。 2.国際会議への参加:国際会議の登録料、海外出張に伴う旅費。3.文献の購入:引き続き、関連書籍・論文の入手が必要。4.英文校閲料。5.文具、その他の消耗品の購入、複写料。
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Research Products
(4 results)
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[Book] ‘Fair Trade and Environmental Sustainability’(Rie Makita), in K. Ikegami, S. Aungsumalin & T. Tsuruta (eds.) Poverty Alleviation and Rural Development through Alternative Socio-economic Regimes: Fair Trade Movement and Economy of Virtue2014
Author(s)
Editors: Koichi Ikegami, Saroj Aungsumalin & Tadasu Tsuruta; Authors: Oakula Cho, Juthatip Patrawart, Saisuda Sriurai, Saroj Aungsumalin, Maripaz L. Perez, Lutgarda L. Torentino, Claudio B. Binondo, Mima Nishiyama, Chul-Kyoo Kim, Motoi Suzuki, Tadasu Tsuruta, Suriya Chanachani & Rie Makita
Total Pages
130 (113-128)
Publisher
Kasetsart University Press (Thailand)