2012 Fiscal Year Research-status Report
都市におけるソーシャルマイノリティの文化・社会・政治的特性の観光資源化
Project/Area Number |
24520901
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
吉田 道代 摂南大学, 外国語学部, 講師 (40368395)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 都市 / 観光 / ソーシャルマイノリティ / シドニー |
Research Abstract |
本研究の目的は、シドニーを事例に、労働者や移民、同性愛者といったソーシャルマイノリティの属性とそれに基づく文化・社会的特性や政治活動が、都市観光の資源としてどのように利用され、またこのような観光資源化がソーシャルマイノリティのアイデンティティに及ぼす影響は何かを解明することである。この目的を遂行するために、平成24年度から27年度にかけて、文献資料を収集し、シドニーにおいてソーシャルマイノリティの属性や活動が観光資源化された地域で調査する計画を立てた。 本年度は、課題に関連する書籍や論文などの文献収集とレビュー、シドニーで予備調査を実施する予定であった。文献については、予定通り、ソーシャルマイノリティのアイデンティティ(特に階級・ジェンダー・セクシュアリティ・エスニシティにかかわるアイデンティティ)、都市の形成と変容、都市観光、文化の観光資源化をテーマとする書籍と文献を地理学、社会学、観光学、マーケティングの分野から広く収集し、レビューした。この成果の一部は、オーストラリアの都市観光およびシドニーの同性愛者の祭典に関する論稿として刊行される(刊行は次年度)。 シドニーでの予備調査は、本年度は実施できなかったが、次年度に行う予定である。本年度は、その準備として、聞き取り対象候補者のリストの作成、候補者の所属機関や活動に関する情報収集を行った。また、その一部には聞き取り調査の打診も行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、課題に関連する書籍や論文などの文献収集とレビューについては、予定通りに進んだ。その成果を学会で口頭発表するという計画は実施できなかったが、分担執筆した本として公刊が決定している。 また、予定していたシドニーでの予備調査も実施できなかったが、来年度に実施する予定であり、その準備は本年度中に進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究対象とするソーシャルマイノリティについて、収集した文献を基に、シドニーでフィールド調査を行う。研究対象とする労働者や移民、同性愛者について、彼ら/彼女らの属性や文化・社会・政治的特性が観光資源化されている実態を現場で観察し、その背景や影響については当事者や関係者に聞き取り調査を行いたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
シドニーでのフィールド調査を実施できなかったために使用できなった研究費については、次年度のフィールド調査で使用する。
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Research Products
(1 results)