2014 Fiscal Year Research-status Report
バリ=ヒンドゥー教徒の社会における「空間の圧縮」とその帰結
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24520910
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
中村 潔 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (60217841)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | バリ / ヒンドゥー / 移住 / 共同体 / インドネシア / ロンボク |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、1) 新たに移動先で築き上げている「伝統的」組織や「伝統的」儀礼あるいはその新しい形態、および2) 出身地の共同体において変更をもたらした、あるいは変更を意図している慣習(村の規則)を主たる対象とする事例研究である。 2014年度は、インドネシア共和国バリ州及び西ヌサ・テンガラ州において、短期の調査(9月1日-19日)を行った。 バリ州の調査村(カランガスム県スラット郡)では、バリ・ヒンドゥーの結婚式に出席し、この儀礼に参加するために帰省する移住者を調査対象とした。結婚式出席後、西ヌサ・テンガラ州マタラム市に移動し(今年度は結婚式出席のために帰省していた調査対象者に同行し、デンパサール市に戻らず、調査村から直接パダンバイ港に出て海路)、調査村から移住した調査対象者の家で参与観察及びインタビューを行った。 そこでは、1) 移動先で築いている「伝統的」組織の事例として、調査対象者を中心に組織されている近隣のバリ出身者による「頼母子講」(arisan)について調べた。 バリ州に戻り、2) の出身地の共同体の慣習に関して、慣習村役員の家でアウィグ=アウィグ(慣習法)の改訂の動きや、調査村を中心として行われている超域的寺院(パサール・アグン寺院)での大規模な祭祀準備(それにはデンパサール移住者も参加している)に関する資料を収集した。また、デンパサール市においては、バリ州で発行されている地方新聞を収集し、バリ州のBPS(統計局)にて統計資料を調査した。 今年度まで3回の短期調査を行った結果から、2015年度に行う予定のfocus group research参加者の候補選定と本調査でのインタビュー項目の検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2013年度同様、2014年度も海外調査に充分な時間が取れず調査対象者とのスケジュール調整が難しかったため、本調査のインタビュー調査及びfocus group調査は2015年度に行わねばならなくなった。
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Strategy for Future Research Activity |
約2ヶ月の本調査を5-6月に、7-9月に補充調査及び調査の暫定的成果報告を行う。成果報告はバリ州ウダヤナ大学において(及び調査対象者に対し)行う予定。
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Causes of Carryover |
当初計画していた長期の本調査が本務の事情から遂行不可能となったため、最終年度にこれを行うこととした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2015年度前期に約60日ずつ2回調査を行う。 2回目の調査は補充調査と調査結果の検討を調査対象者とともに行い、成果報告をバリ州ウダヤナ大学などでバリ人研究者を主な対象として行う。
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