2012 Fiscal Year Research-status Report
現代インドの贈与と異人歓待に関する人類学的調査研究:受容と排除の分水嶺からの考察
Project/Area Number |
24520916
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Gunma Prefectural Women's University |
Principal Investigator |
國弘 暁子 群馬県立女子大学, 文学部, 准教授 (20434392)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 国際情報交換(インド) / 贈与 / 歓待 / 現世放棄 |
Research Abstract |
本研究は、西洋のアカデミック主導によって形作られてきた南アジアの贈与ダーナに関する研究に対して、非西洋の側からの学術的貢献を果たすことを最終的な目標に掲げており、その具体的な策として、これまでジェンダー研究において非西洋のセクシャル・マイノリティ、あるいは「第三のジェンダー」として着目されてきたヒジュラに焦点を当てて、そのヒジュラに対するダーナ(贈与)の実践に着目した現地調査を行うものである。 本研究計画の初年度においては、インドのヒジュラに関するこれまでの研究成果を西洋に向けて発信していくことに重点を置いてきた。その一つの活動として、マケドニア国のスコピエ市で開催されたサマースクール "Sexualities, Cultures and Politics: Queerness, Community and Capital: Towards New Alliances of the Political ( August 13-18, Skopje, Macedonia)に参加し、ジェンダー/セクシュアリティ研究に関する西洋での動向を掴むと同時に、海外の若い研究者たちとの意見交換を通じて、自らの研究の指針を定めることに努めた。また、2012年11月には、インドのブバネシュワール市において開催されたIUAES(国際人類民族科学連合)大会 “Children and Youth in a Changing World,” において口頭発表を行い、南アジア地域研究に従事する海外の人類学者たちとの意見交換を行う機会にも恵まれた。その成果として、発表原稿に修正を加えた論文を群馬県立女子大学の紀要に掲載した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では、初年度は海外で開催される研究会、及び学会発表に臨むことに加えて、インドでの現地調査を実施する予定であった。しかし、医師による判断によってインドへの渡航を中止せざるを得なくなり、その計画は来年度に延期することにした。そのため、現時点での個人的な満足度は「やや遅れている」の区分に含まれる。しかし、今年度実施した海外での発表等を通じて、海外に研究成果を発信するための術を身につけることができたという点を考慮すれば、今後の研究はより充実したものになると考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後の推進策としては、贈与に関する文献研究を行うと同時に、インド、グジャラート州にある女神寺院での贈与の実践に関する現地調査を実施する。現地調査に関しては、産休明け(平成26年3月)に実施する予定であるが、海外渡航が困難と医師に判断された場合には、来年度に延期する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究費の使用に関しては、研究活動に必要となる備品の購入、そして海外渡航費用にあてることを計画している。具体的には、学会発表の際に必要となる軽量型のコンピューター、及び、海外調査で必要となる記録用カメラの購入費、そして、海外渡航費用として、日本とインドの往復航空券の購入、及び現地での滞在費用にあてる。
|
Research Products
(4 results)