2014 Fiscal Year Annual Research Report
東日本大震災以後の在日フィリピン人カトリック共同体のネットワーク化の研究
Project/Area Number |
24520921
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
寺田 勇文 上智大学, 総合グローバル学部, 教授 (20150550)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 東日本大震災 / キリスト教 / 移住者 / フィリピン人 / ネットワーキング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の最終年度の成果は次の通りである。 初年度、2年度にひきつづいて東日本大震災の被災地(青森、岩手、宮城、福島の各県)のカトリック教会を訪問し、継続的な参与観察および関係者のインタビューを行った。震災以後、各地の教会を中心に始まったフィリピン人信徒のネットワーキングは、仙台教区に派遣されたフィリピン人司祭などの働きもあり、徐々に実りつつあることが理解された。各地の教会ではフィリピン人を教会のメンバーとして迎え入れる態勢が徐々に整えられつつあり、いくつかの教会では月に一度、土曜日または日曜日の午後に英語またはフィリピン語によるミサが行われるようになっている。岩手県のある教会ではフィリピン人の自助グループが結成され、ネットワーキングが始まった結果、以前は日本人ばかり110人だった教会員が、震災後2年目には190人に増えている。そのほとんどがフィリピン人女性と国際結婚による子どもたちである。 2014年10月には上智大学で、シンポジウム ”Faces of Being Church among Migrant Filipinos in Japan”(日本におけるフィリピンからの移住者とカトリック教会)を開催(90人出席)し、フィリピン人カトリック共同体のおかれている現状を比較検討した。フィリピン人の海外移住と宗教との関係を世界大で検討(基調講演)した後、岩手県のある教会のフィリピン人共同体、被災地ではない山形県のあるフィリピン人共同体、さらに千葉県のフィリピン人共同体からの報告をもとに関係者による議論が行われた。
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