2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24530002
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
大江 洋 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (80308098)
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Keywords | 子どもの権利 / 子ども論 / 子ども学 |
Research Abstract |
これまで主として欧米の社会学において検討されてきた「子ども論・子ども学(Childhood Studies)」を法哲学的観点から考察しようとしている本研究であるが、当該年度は以下のような研究が行われた。 1. 前年度に引き続き、主として英語圏の子ども論・子ども学(Childhood Studies)についての種々の文献を精読し、そこでの論点を整理した。具体的には、William A. Corsaro 著 The Sociology of Childhood(前年度からの継続)を整理した。Corsaroの議論の特徴は、子どもに対する緻密なフィールドワークにある。その観察から氏独自とも言える理論が生まれてくる。すなわち、予想外の子どもの有能性や、子どもをめぐる世界の固有性である。さらに、主として読み込み整理した文献が、Allison James著 Socialising Childrenとなる。Jamesは、これまでどちらかというと時代遅れとさえ判断されつつある「社会化」概念を構成主義などの批判を視野に入れつつ、再構成しようとするものである。 2. 暫定的な中間報告である「『子どもの権利』をめぐる関係性のありよう」(神戸法学雑誌 第62巻1・2号 355-379頁 2012年9月)をさらに発展させた草稿を執筆中である。Childhood Studiesの現代的潮流の紹介・検討を基盤に置きつつ、子どもの権利などの規範的議論がそこからどのような知的刺激を受けることができるかという視点で草稿をまとめつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
暫定的な中間報告である「『子どもの権利』をめぐる関係性のありよう」を執筆した(神戸法学雑誌 第62巻1・2号 355-379頁 2012年9月)をさらに発展させた草稿を執筆中のため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に沿って、子ども論・子ども学の法哲学的考察を進めていく。
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