2013 Fiscal Year Research-status Report
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24530019
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宇賀 克也 東京大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (90114397)
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Keywords | 情報公開 |
Research Abstract |
2013年度は、「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」が通常国会で制定されたため、「行政機関の保有する情報の公開に関する法律」を用いて、立法過程の資料の開示請求を行い、同法について詳細な研究を行い、著書、論文等を公表した。また、議院行政文書、司法行政文書、民間委託等のアウトソーシングに伴う情報公開の問題についても研究を行い、その成果を、「行政機関の保有する情報の公開に関する法律」、「独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律」、「情報公開・個人情報保護審査会設置法」の解説書の改訂版において発表した。また、民主党を中心とした連立政権下で国会に提出された情報公開法改正案は、2012年11月16日の衆議院解散に伴い廃案になったが、2013年臨時国会に議員立法として同内容の法案が提出され継続審査となっている。同法案においては商業目的以外の開示請求手数料は廃止されることになっている。そこで、同法案についても検討を行い、その成果を前述の情報公開法の解説書の改訂に当たり、公表した。さらに、2013年度においては、地方公共団体の情報公開条例について網羅的に研究を行った。従前は、都道府県、政令指定都市、中核市、特例市の情報公開条例は調査していたが、一般市、町村の情報公開条例についての悉皆的調査はできていなかった。しかし、2013年度においては、一般市、町村の情報公開条例も網羅した調査を行うことができた。その結果、一般市、町の情報公開条例の中にも、新機軸を採用した注目すべきものが少なくないことが判明した。それらについても、前述の情報公開法の解説書の改訂に当たり、公表した。また、情報公開の国際的動向についても研究を行った。また、裁判関係文書については、刑事確定訴訟記録法について、判例を含めた研究を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度に計画した内容はおおむね達成できたと思われるが、本研究の全体の目的に照らすと、平成25年度までに実現できたのは、その4割弱程度であると考えている。平成25年度は、「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」については著書も複数刊行することができ、論文もかなり執筆でき、満足のいく研究ができたが、その研究に大幅に時間を費やし、他の部分の研究に割く時間は制約されてしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」に基づくマイポータルによるプッシュ型情報提供について、研究を深めたい。また、アメリカ、イギリス等における情報公開の最近の動向について、調査研究を行いたい。 情報公開制度を考えるに当たり、文書提出命令制度との関係についても検討する必要があるので、この点についても研究を進めたい。さらに、行政不服審査法の全部改正が平成26年度の通常国会で実現する可能性が高いので、それが情報公開制度に与える影響についても研究をしたい。
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Research Products
(11 results)