2014 Fiscal Year Research-status Report
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24530019
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宇賀 克也 東京大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (90114397)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 情報公開 / 文書提出命令 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、情報公開の国際的動向についての研究にかなりの時間を費やした。欧米諸国に限らず、アジア、南米、アフリカ、中東の諸国における情報公開法の制定・改正の動向について調査した。また、情報コミッショナー会議等の情報公開に関する国際協力の進展についても、研究を行った。とりわけ、アメリカ連邦議会において、大幅な情報公開法改正の動きがあったため、その研究に最も時間を割いた。また、オバマ大統領が提唱した「開かれた政府パートナーシップ(Open Government Partnership)」の研究にも力を入れ、その運用の実態についても調査した。研究成果は、年度内に論文として公表することができた。情報公開と密接に関連する文書提出命令についても研究を進め、成果を公表することができた。「行政手続における特定の個人の識別のための番号の利用等に関する法律」(以下「番号法」という。)についても、研究を行い、それが地方公共団体に与える影響について、分析した。番号法については、地方公共団体への影響を中心に考察した共著を複数公刊することができた。昨年、行政不服審査法が全部改正されたことに伴い、情報公開制度にいかなる影響が及ぶかについても考察した。全部改正された行政不服審査法については、逐条解説書を含む書籍を複数刊行することができた。また、改正行政不服審査法が地方公共団体に与える影響について考察した論文を公表し、とりわけ、地方公共団体の情報公開制度について、いかなる対応が可能かについての見解を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
情報公開と密接に関連する文書提出命令についても研究を進め、成果を公表することができたこと、番号法に関する解説書を3冊(単独著1、共著2)公刊し、その中でマイポータルによるプッシュ型情報提供についても研究成果を示すことができたこと、行政不服審査法についての解説書を2冊(いずれも単独著)を公刊し、その中で行政不服審査法全部改正の情報公開制度に与える影響について研究成果を示すことができたこと、情報公開の国際的動向についての研究成果を論文として公表することができたことには満足している。もっとも、情報公開の基礎になる公文書管理については、当初の予定では研究成果を逐条解説書の改訂において示すことを考えていたが、年度内の改訂版の刊行には至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度においては、引き続き情報公開の国際的動向についての研究を進展させ、その成果を論文として公表したい。また、行政不服審査法全部改正の情報公開制度に与える影響についても引き続き研究したい。さらに、情報公開の基礎になる公文書管理については、研究を継続し、その成果をコンメンタールの改訂版において示したい。平成27年度は、「公文書等の管理に関する法律」の施行後5年を目途とした見直しのための検討が内閣府公文書管理委員会で開始される予定であるので、情報公開と公文書管理の関係について研究を深め、その成果を、「公文書等の管理に関する法律」の見直しの議論に反映させることができるように努力したい。
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Research Products
(10 results)