2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24530034
|
Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
松原 有里 明治大学, 商学部, 准教授 (30436505)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
猪熊 浩子 東北大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (30596416)
|
Keywords | CCCTB / グループ法人税制 / 国際会計基準 / ローカルGAAP / 結合企業法制 / ドイツ / イギリス / EU |
Research Abstract |
本年度の前半は、昨年度の国内の学会(税務会計研究学会)での研究発表に基づき、関連する分野の専門家であるケルン大学経済社会学部のーベルト・ヘルツィヒ教授(税務会計学)を日本に招へいし、明治大学と東北大学で3回の講演(うち1回は、日本人および日本在住の欧州出身(英・蘭・仏)の会計学者を中心とする非公開のワークショップ)を開催した。参加者は、法律系からは、租税法のほか、国際法・会社法・行政法の専門家が、また会計系からは、財務会計の専門家(日本人および日本在住のオランダ人・フランス人研究者)および、会計大学院および法科大学印の院生(含む卒業生)と多岐にわたった。この東北大学と明治大学での2回の講演(「国際会計基準とローカル・GAAP」および「欧州統一法人課税標準(CCCTB)」)に関しては、後日、講演録として日本語に訳出して、公表を行っている。 また、欧州域内でも、大陸のアプローチと英国のアプローチでは異なることから、英国およびその影響を受けている豪州の研究者との交流を夏以降に開始した。具体的には、英国および豪州の研究者の来日時にインタビューを行い、翌年度以降、研究者同士の相互交流をする段取りを整えた。さらに、本研究のテーマは、実務とも密接にかかわることから、実務法曹の関係者ともコンタクトをとるべく、本年度の後半にかけてドイツの連邦憲法裁判所および連邦財政裁判所の判事からもインタビューを行ない、情報のup-to-dateを図った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、ドイツの研究者を招へいし、従来、論文等の書籍でのみから得ていた研究内容について、欧州の実態を細かく知ることができた。また、租税法や財務会計の隣接分野の研究者との交流も生まれ、国際比較のみならず、国内でも学際研究を進めることができたのは、当初の予測を超えた成果であった。今後は、院生や学部の上級生も含めて、研究を進めて行きたいと考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度は、本研究課題の最終年度にあたることから、これまでの研究成果を基礎に、さらに英独以外の国および個別の論点について、深めることを考えている。また、海外の研究者・研究機関との交流も引き続き、積極的に行いたいと考えている。具体的には、オランダやドイツの研究者や実務家を日本に招聘するほか、オーストラリアなど、従来の会計制度・法人税体系を近年(2000年)抜本的に改正した国(欧州型から米国型)にも焦点をあて、その理由および改革の進捗度合についても、わが国へのインプリケーションを含めて、フォローしたいと考えている。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初予定していた海外出張の日程が、学内の校務の関係で1日短縮することになり、日当相当分を残額として次年度に繰り越した。 次年度の出張経費に繰り入れる予定である。
|
Research Products
(3 results)