2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24530036
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Azabu University |
Principal Investigator |
村山 史世 麻布大学, その他部局等, 講師 (60318889)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 公私二元論 / 実践コミュニティ / コミュニティ / 新しい公共 / 自助・共助・公助 / 自律した個人像 / ガバナンス / まちづくり |
Research Abstract |
本研究においては憲法理論の前提となっている公私二元論を再検討し、我が国の社会の現実に根ざした「公-共ー私」の枠組みで帰納法的に再構成するために、「共」の領域のおけるガバナンス(共同管理)の実態についての社会調査を行いデータ収集することを目的としている。この目的を達成するために2012年度(H24年度)は基礎的文献調査と専門家への聞き取り調査を行った。 共生科学第3巻に村山史世「大学の地域共創と活動の評価ー学生の環境まちづくりを中心に」を発表した。この論説はコミュニティの意義や個人の自律の基盤となる「実践コミュニティ」について学生主体の環境まちづくりの事例に即して論じたものであり、本研究の出発点となるものである。この論説を発展させたものが日本環境教育学会2012ポスター発表、村山史世・石田恵理・小宮菜摘・小島慎伍・福原美砂・音光寺良・國分琳太朗(麻布大学環境教育研究会)「環境学習・まちづくりを通した「実践コミュニティ」の形成」であった。 日本公法学会、全国憲法研究会、憲法理論研究会など所属している学会に出席し、研究者と意見交換を行った。またコミュニティ政策学会にも参加した。コミュニティ政策学会は法学者だけでなく、政治学者や社会学者、まちづくりの実践者などが集っている。本研究の問題関心の深化、専門的知見を得るために、この学会に引き続き参加してゆく。 基礎的文献調査は、まだ十分とは言えない。憲法学において「共」の領域を論じる文献を調査しているが、ほとんど発見できていない。憲法学が「共」の領域を論じていないことを証明するための文献調査になっている。憲法学以外ではいくつか重要な文献を発見できた。基礎的文献調査は引き続き2013年度(H24年度)も実施してゆく。基礎的文献調査の結果は、本年度中に何らかの形で公表してゆく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2012年度(H24年度)は基礎的文献調査をほぼ完成させることを計画していた。しかし基礎的文献調査はまだまだ十分であるとは言えない。憲法学において「共」の領域についての学問的関心の薄さは、文献の不存在によって証明される。文献の不存在を調べることには、当初の計画以上に時間がかかっている。本年度も引き続き基礎的文献調査を行う。 また専門家への聞き取り調査もあまり進んでいない。基礎的文献調査の遂行と同時に聞き取り調査を行う専門家の選定、聞き取り調査の実施を行ってゆきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度の遅れている部分を進行させると同時に、当初計画にあった「新しい公共」の調査研究、地方自治体の「自助・共助・公助」のまちづくりの実態調査を遂行してゆく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
2012年度(H24年度) に計画していた基礎的文献調査と、2013年度(H25年度)に計画している国・自治体の「公ー共ー私」の公共政策分析に研究費を使用する。
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