2014 Fiscal Year Research-status Report
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24530073
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
柑本 美和 東海大学, 専門職大学院実務法学研究科, 准教授 (30365689)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 触法精神障害者 / 責任能力 / 受刑中の医療 / 強制通院制度 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、平成27年度に集中的に行うイギリスでの視察調査に向け、事前調査としての文献調査を行うとともに、触法精神障害者処遇と深く関係する一般精神医療制度についても検討を行った。触法者のための治療制度下での処遇終了後に、再犯を防止するためには、一般精神医療制度における継続的な治療が必要となるが、我が国では、それを精神保健福祉法の各種入院制度に頼っている。しかし、入院期間を終了し、地域精神医療に移行した場合、何ら治療を義務付ける制度はなく、病識欠如、怠薬があるような者について治療継続のための有効な手立てはない。この点、イギリスや、カナダの幾つかの州では、退院後の治療継続のために、一般精神医療においても「通院命令制度(community treatment order)」が制度化され治療継続が実現するとともに、不必要な入院を抑制する役目を担っている。 我が国でも、平成25年の精神保健福祉法改正時に、強制入院患者数削減をめざして、強制通院制度導入の可否が議論されたが、保護者制度の廃止等についての検討に焦点が当てられ、深い議論には至らなかった。制度設計をどうするか、例えば、司法関与を必要とするか、医療者だけの判断で命令を出せるようにし、不服申し立て制度など権利擁護を手厚くするかなど検討事項は多い。しかし、医療観察法の下で、他害行為を契機として治療を受けざるを得ない人々の、処遇終了後における地域での生活継続を可能とするこのシステムについては、早急に議論する余地があると思われるのである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
文献調査等の予備的調査はほぼ終了し、あとは実地調査を残すのみとなっている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は、我が国が医療観察法を制定し、運用を行う際に参考にしたイギリスを対象とし、実地調査を重点的に行う予定である。
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Causes of Carryover |
今年度は、予定していたイギリス調査が、先方とのアポイントを取れなかったことなどを理由として実現できなかったため、それに係る費用が来年度に繰越された。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
イギリス視察、およびその際の通訳費用等に使用する予定である。
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