2014 Fiscal Year Annual Research Report
統一的正犯概念の比較法的研究―イタリア・デンマーク・ノルウェー刑法という新領域
Project/Area Number |
24530075
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
松澤 伸 早稲田大学, 法学学術院, 教授 (20350415)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉中 信人 広島大学, 社会(科)学研究科, 教授 (60284147)
田川 靖紘 愛媛大学, 法文学部, 講師 (80611178)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | イタリア刑法 / デンマーク刑法 / ノルウェー刑法 / 統一的正犯概念 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、実施計画に従い、研究代表者(松澤伸・早稲田大学)、研究分担者(吉中信人・広島大学、田川靖紘・愛媛大学)各自で、統一的正犯概念に関する資料収集、調査を行い、比較対象国(イタリア、デンマーク、ノルウェー)の共犯規定の研究、わが国で統一的正犯概念を論じる場合、どのように理論的接合ができるのかについての研究を行った。 研究代表者である松澤は、デンマーク、および、ノルウェーについて研究を行った。調査の結果、ノルウェーは、刑法改正が行われた結果、統一的正犯体系が維持され、さらに明確化されたことが明らかとなった。また、ノルウェーにおける統一的正犯概念の解釈論上の基礎理論についても調査を進めた。研究成果として、英文による論文を公表し、統一的正犯概念の考え方が、デンマーク、ノルウェー、イタリアのみならず、英米刑法や国際刑法においても普及しており、特に背後において犯罪実現に重要な役割を果たしている者の処罰について、適切な理論を提供できることを明らかにした。 研究分担者の吉中は、イタリアにおける統一的正犯概念についての調査を継続し、その成果を、研究ノートとして公表した。イタリアにおける共同正犯論の議論をまとめ、共同正犯の成立要件についても言及した。 研究分担者の田川は、ドイツが共犯体系を維持していることから、統一的正犯概念に対する批判的考察を行い、正犯と共犯の区別が、量刑上行われ、多様な要素の総合判断が行われる場合の課題について検討した。
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Research Products
(4 results)