2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24530079
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
宮本 ともみ 岩手大学, 人文社会科学部, 教授 (20361040)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 婚姻住居 / ドイツ家族法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、婚姻共同生活を営むために必要な住居(以下、婚姻住居という。)をめぐる紛争について、民法の家族法のなかに固有の制度を整えているドイツ法と民法の家族法領域のなかに固有の制度が存在しない日本法との比較法的考察を行うことにより、婚姻住居利用に関する紛争対応を考える手掛かりを得ることを目的としており、研究手法としては、ドイツと日本の同紛争を網羅的に拾い上げて、紛争処理の特色や動向を比較分析することとした。 最終年度である平成26年度の具体的な研究実施計画は、前年度において遅れていたドイツにおける離婚時の婚姻住居利用をめぐる紛争について分析を行うことに加えて、ドイツにおける別居時の婚姻住居利用をめぐる紛争についても分析を行い、最終的には、これまでの各分析を踏まえて、総合的な日独の比較法的考察を行うこととしていた。分析は相当程度進めることができた。他方、これまで収集した日独文献の整理が十分でなかったために、文献整理にも相当の時間を費やすことになった。そのために、ドイツと日本の婚姻住居利用に関する比較法的考察の成果を公表するという計画を達成することはできなかった。 全体を通じて、日本とドイツの婚姻住居紛争を網羅的に拾い上げるという計画を実施し、それをもとに諸点の比較分析を相当程度進めることができた。しかし、成果を公表するという点では、計画どおりにいかなかった。この点について、本研究採択時の研究計画調書では、やむを得ずペースに遅れが出た場合は、論文の公表を先送りにして、研究計画の最終年度(平成26年度)先2年以内には、目標を達成する全考察の公表を目指す、とある。これを実行することが可能な段階まで研究は進んでおり、それを果たすことにより、予定どおりの研究目的を達成することになる。
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