2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24530087
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
渡部 美由紀 名古屋大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (40271853)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 国際研究者交流(イギリス・アメリカ・ドイツ) / 国際情報交換(韓国) |
Research Abstract |
今年度は、申請課題に係る資料および情報収集を行い、その読解と分析を行った。その際、とりわけ国際的な人的交流により、新しい情報を適切に収集することに努めた。具体的には、以下の通りである。 (1)外国研究者による研究協力および継続的情報提供の確保 ①2012年8月にドイツ・ハンブルクのマックスプランク国際私法研究所において、Mediationの研究を中心として広くADRの研究を行っているシュテッフェク研究員から、ドイツにおけるADRの状況とともに、仲裁の状況に関する有益な示唆を受け、今後の研究協力につき快諾を受けた(その際得られたドイツのADRに関する知見については論稿を公表した)。もっとも、ドイツにおいては、申請課題である多数当事者仲裁に関する法的規律はまだ存在せず、解釈に委ねられている状況にある。②申請課題に関する先行研究の多い英米の状況分析については、イギリス・オックスフォード大学でADRに関する研究を行っているクロイツフェルト=バンダ氏に研究協力への快諾を受けたほか、2013年3月にドイツ・パッサウ大学とオーストリア・リンツ大学で共同開催された国際民事訴訟法学会(テーマ:判決等の承認・執行)において、報告者であり、多数当事者仲裁に関する論文を多数執筆しているストロング教授(アメリカ・ミズーリ大学)と話をすることができ、今後の研究協力・情報提供につき快諾を受けた。③アジアの状況に関しては、韓国・ソウル大学の民事訴訟法学者であり、仲裁人でもあるジョン教授とも研究交流を行うことを約束した。 (2)文献資料の収集および読解・分析 とくに英米の多数当事者仲裁(multiparty arbitration)に関する書籍、論文および判例等を中心に収集し、随時、読解・分析を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
多数当事者仲裁については、国内においてはまだ十分な議論の蓄積があるとは言えない状況であるため、先行する英米等の外国資料の収集およびその状況分析が不可欠であり、その前提として「適切な」文献資料を収集することが求められる。しかし、日本においてこれを行うことは必ずしも容易ではなく、海外文献資料の収集にあたっては、当該国において、当該テーマについて研究を進める者からの情報提供ないしアドバイスを受けることが非常に有用である。今年度は、先に述べた研究者らをはじめとして、国際学会等において英米独等の仲裁を専門とする研究者および実務家と多数交流することができ、情報提供をはじめとして今後の研究協力の快諾を受けた。文献収集も順調であり、初年度として、今後の研究推進の基礎を築くことができたと考える。
|
Strategy for Future Research Activity |
①2013年度は、2012年度収集した文献資料の読解および分析を中心として行う。不足分は随時追加する。また、外国研究者等と継続的に交流を行い、情報提供を受けるとともに、研究内容について討論し、その妥当性と結論の方向性等を検討する。そのうえで中間的に研究成果をまとめ、国内の研究会等において、他の研究者・実務家の批判を仰ぐ。 ②2014年度は、それまでの研究成果をまとめる。国内の研究会等で報告し、他の研究者から批判を仰ぎつつ、論文を執筆する。この間も、情報収集を継続し、より新しい状況を論文に反映することに努める。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
英米を中心とした書籍等の購入 45万円 外国調査旅費(イギリス(またはアメリカ/ドイツ)5日間・40万円) 国内出張旅費(研究会出席等)15万円 その他(謝金、印刷費、文具費等事務消耗品費) 20万円
|
Research Products
(1 results)