2015 Fiscal Year Annual Research Report
非占有担保の収益担保化がもたらす諸課題と対抗要件・公示制度の将来
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24530092
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
石田 剛 一橋大学, 大学院法学研究科, 教授 (00287913)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 将来債権譲渡 / 第三者対抗要件 / 相殺 / 譲渡制限特約 / 事業再生 / 債権と処分権 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、4年間の研究成果を総合し、債権譲渡の第三者対抗要件について、民法(債権関係)改正法案が志向する債権譲渡法制の基本構想をふまえ、かつ債権と処分権との関係、債権譲渡の対抗要件制度の法的構造に関する近時の学説における議論を咀嚼したうえで、日本法が今後目指すべき方向を提言する論文をまとめた。この論文は、法学教室で2年間にわたり、他の2名の中堅民法学者とリレー方式で連載した8本の論文と、他の追加テーマについて新たに書き下ろした1本の論文と合体させたうえで、平成28年度内をめどに有斐閣から出版する予定である。 また、債権譲渡と相殺に関して、民法(債権関係)改正法案のもとで将来実務上生じうる解釈問題について検討を深めた。その成果は、大阪弁護士会主催による倒産弁護士を主要メンバーとするシンポジウム「相殺をめぐる民法改正と倒産手続」の場にパネリストとして参加し、理論的な観点からのコメントする形で、広く社会一般に発信した。シンポジウムの内容は、金融法務事情2036号に詳細に掲載されている。 さらに、事業再生研究機構が主催する研究会に参加し債権譲渡法の改正(特に譲渡制限特約に関する改正)が実務に及ぼす影響につき、金融機関の法務担当者、倒産弁護士、倒産法研究者とともに継続的な検討を行った。その研究成果は平成28年5月28日に予定されているシンポジウム「債権譲渡法制に関する民法改正と事業再生」の場でパネルディスカッション形式で発信する。 さいごに、債務者の無留保承諾による抗弁切断に関する最判平成27年6月1日民集69巻4号672頁の評釈を民商法雑誌に掲載することも確定している。
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Research Products
(6 results)