2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24530121
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
若松 陽子 関西大学, 法務研究科, 教授 (80388420)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 歯科医療の法的問題 / 歯科医療と契約 / インプラント治療 / 説明義務 / 健康余命 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、従来の研究の深化として高齢社会における歯科医療問題に取組み、さらに医療全般にわたる新規問題(①医療事故調査制度、②研究に際しての利益相反〈COI〉と倫理委員会の承認)及び歯科医療に関する独自問題(①広告指針と専門医制度、②混合診療、③禁忌疾病)を研究した。 それらの実績として、初年度から継続している歯科医療の安全や説明義務の講演を歯科医師会(京都府歯科医師会・沼津歯科医師会)や学会など(公益社団法人日本口腔インプラント学会学術大会、日本有床歯科施設協議会)で行った。 その上で、高齢社会における歯科医療の必要性と市民の意識や関心事項に直に触れるため、平成27年1月31日京都大学での市民公開講座「安心して歯科インプラント治療を受けるために」パネルディスカッション「新しい歯科治療(インプラント治療)の疑問を解明」にパネリストとして参加した。市民の要望や不安がよく理解できた。 執筆としては、公益社団法人日本口腔インプラント学会編『口腔インプラント学 学術用語集』(平成26年6月10日発行、医歯薬出版)に共同執筆者として関わったほか、『口腔インプラントの医療安全(仮題)』(平成27年9月10日発行予定、医歯薬出版)において「医事紛争発生時の対応」を執筆した(平成2月27日原稿送付済み)。 研究期間を通じて実践してきた歯科医療に関する法的問題の研究は、毎年の学会参加や発表、歯科医師に対する講演などによって、安全な歯科医療の一助となりえたのではないかと自負する。心残りなのは、研究当初に意図していた単著としての歯科医療全般に及ぶ論文が仕上がっていないことである。しかし、この研究期間を通じて得られた成果をまとめ、そこに高齢社会における健康余命という側面からの考察を加味して、研究期間終了後になってしまうが、このような機会を頂いたことに感謝して必ず刊行する予定である。
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