2013 Fiscal Year Research-status Report
マルチレベルの政治制度とその政治的帰結に関する比較研究
Project/Area Number |
24530134
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
建林 正彦 京都大学, 国際公共政策研究科, 教授 (30288790)
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Keywords | 政党 / 政党組織 / 選挙 / 地方政治 / 自由民主党 / 民主党 |
Research Abstract |
本研究の目的は、マルチレベルの政治制度の組み合わせがもたらす政治的帰結について、日本とイタリアとの比較研究を通じて明らかにすることである。民主主義国家において同一の住民、地域を管轄する統治機構は、基礎自治体、県・州政府、中央政府、超国家政府(EUなど)というように多層化しているが(このことを本研究ではマルチレベルの政府と呼ぶ)、各レベルの政治制度は、相互に関連しあい、他レベルの政治的帰結に作用する。マルチレベルの政治制度とそれによってもたらされるマルチレベルの政治ゲームの相互作用を射程に入れることで、政治制度と政治的帰結の関係をより包括的に、動態的に明らかにすることが本研究の課題である。 このような研究目的に照らし、25年度には、本研究課題の先行的な研究となる、「現代民主政治と政党組織の変容に関する研究(基盤研究A)」(平成21年度~23年度)、さらに本研究の研究成果として、『政党組織の政治学』を編著としてとりまとめ、出版した。そこでは日本の主要政党の地方組織が他の国と比べてかなりの自律性を持つという事実を多くの研究者の事例研究、都道府県議会議員に対するアンケート調査の分析によって明らかにし、またその比較政治学における理論的背景についても明らかにすることで、学界に新たな知見を提供することができたと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
イタリアの政党地方組織調査については、研究協力者、調査対象との日程がうまく調整できず、26年度に遅らせることとした。他方で、理論的には、『政党組織の政治学』を取りまとめることで、予想以上の進展を見た。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度見送りとしたイタリア地方政党組織の調査については、早い段階で実施に結び付けたい。具体的には、プーリア州における知事候補の予備選という制度が、政党組織にいかなる影響を及ぼし、国政政党の組織動員力をいかに毀損するかを分析し、さらに北部の右派政党についても、地方政治のメカニズムが国政レベルの政党政治に及ぼす影響について、考察を加えたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究成果の一部として、編著を取りまとめる作業に時間をかけたことの影響もあり、当初H25年度に実施を計画していたイタリアの政党地方組織調査について、研究協力者、調査対象との日程調整が不調に終わったため、この実施を見送ったため。 早々に上記イタリア政党組織調査を実施し、研究とりまとめを行う予定である。
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