2013 Fiscal Year Research-status Report
東欧・中国の民主化とトクヴィルおよびシュンペーターのデモクラシー論
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24530151
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
松本 礼二 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (30013022)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 浩 法政大学, 法学部, 教授 (10009821)
藁谷 友紀 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (20267462)
青山 瑠妙 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (20329022)
林 忠行 京都女子大学, 現代社会学部, 教授 (90156448)
石井 知章 明治大学, 商学部, 教授 (90350264)
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Keywords | トクヴィル / 民主化 / 東欧 / 現代中国 / ポスト・コミュニズム |
Research Abstract |
1)全体の研究会としては、2013年6月に本年度の研究方向の重心を現代中国におけるトクヴィル受容の検討におくことを確認し、その観点から『中国が読んだ現代思想』(講談社選書メティエ)の著者、王前氏(東京大学総合文化研究科助教〈当時、現在特任准教授〉)の協力を得ることに合意した。 2)その合意に基づいて9月21日に王前氏を研究会に招き、「トクヴィル(托克維爾)と中国――昨今の中国におけるトクヴィル・ブームをめぐって」と題する報告をしてもらった。報告を通じて現代中国におけるトクヴィルへの関心の増大の知的文脈や政治的背景について貴重な情報を共有することができ、活発な討論がなされた。また、王前氏自身、今後も研究会メンバーとして本プロジェクトへの協力の意志を表明した。 3)研究代表者は、トクヴィルのデモクラシー論の非西洋世界への有意性という本研究課題に関連する観点からトクヴィルのアルジェリア植民地論の検討をすすめ、その成果の一端を関西フランス史研究会で発表した(2014年1月11日)。 4)東欧民主化との関連については、文献資料の調査を研究代表者と分担者石井知章が協力して行うこととして、2014年2~3月にチェコおよびポーランドでの現地調査を計画したが、出発直前に代表者が急病に倒れ、入院加療を余儀なくされたため、石井の単独出張となった。それでも重要な資料情報が得られた。 5)なお、実際に行われたのは前年度(2013年3月2日)に属するが、第4回政治経済学会研究大会の特別企画として本研究の途中成果を発表したシンポジウム"Tocqueville and Post-Communist Democratization: Eastern Europe and Contemporary China"の記録は『政治経済学会ニューズレター』5号(213年12月)、pp.16-17に掲載されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
東欧民主化の政治過程とトクヴィル受容の関連について、研究代表者が予定していた現地資料調査が、急病のため実現できなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
東欧民主化とトクヴィルのデモクラシー論との関連については、基本的に既存の資料、研究の整理にとどめ、現在の問題である、中国におけるトクヴィル受容の思想的文脈の究明、中国の民主化過程との関連を問うことに重点をおきたい。現代の観点だけでなく、歴史的、比較的視座においてこれを考えるため、日本を含めて東アジアにおけるトクヴィル受容の検討を総合的に進めたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究代表者が年度末に予定していた海外出張(フランス、チェコ、ポーランドにおける資料調査)を急病のため中止せざるを得なかったため。 急病のため実行できなかった海外資料調査のための出張旅費に使用する予定。
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Research Products
(9 results)