2013 Fiscal Year Research-status Report
中国・ベトナム・北朝鮮・キューバの経済特区に対する比較研究
Project/Area Number |
24530164
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
朴 鍾碩 北海道大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 研究員 (60615293)
|
Keywords | 経済特区 / 中国 / ベトナム / 北朝鮮 / キューバ |
Research Abstract |
本研究は、中国・ベトナム・北朝鮮・キューバという、「残存社会主義4国」で推進されてきた「経済特区」の動きを比較的な観点から把握することを目的としている。それで、5年計画研究の2年目(平成25年)は、最初年度に続いて文献研究を中心に推進しながら、その間得られた知見を学会や研究会に参加し報告するとともに、経済特区現地に対する「現実感覚」を高めるため現地や周辺地を訪問し、当地の研究者や人々と交流する作業を進めてきた。 文献研究の面を見ると、一年目には北朝鮮に関する資料を読んで自分なりの考え方を整理し、2年目は中国に関する資料を読んで自分なりの考え方を整理した。それを簡単にまとめると、中国は対外的開放と対内的改革を同時にまた積極的に推進してきたが、北朝鮮は対外的開放にはある程度積極的であるが、対内的改革はためらっていることだと言える。その原因は、中国は社会主義体制という特定の制度に対するイデオロギー的な執着が弱いが、北朝鮮は強いことであると推察される。 学会などへの参加の面を見ると、北海道大学の「体制転換と法研究会」、日本全国の「現代韓国朝鮮研究会」などにて報告を行い、自分の考えかを発表し、他の研究者と討論した。それで、その成果がロシアの極東連邦大学出版会の『Borders and Cross-border Processes in Eurasia』という本の中に「North Korea`s Special Economic Zones and East Asia」というタイトルで掲載されたりした。 現地調査の面を見ると、北朝鮮と中国の接境地である中国東北の丹東を訪問し中国と北朝鮮の交流の様子や北朝鮮の様子を伺い、台湾(台北・台中・台南・高雄)を訪問し中国との交流の様子をうかがったことがある。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、中国・ベトナム・北朝鮮・キューバという、「残存社会主義4国」で推進されてきた「経済特区」を対象にしていて、研究方法として文献研究と現地調査という方法を採択し、それから得られる知見をまとめる手順で進めている。そして今までの達成度は、文献研究と現地調査の面から判断できよう。 まず、文献研究の面を見ると、対象になる4国の経済特区に関する資料を相当集めて、それをずいぶん読んで自分なりの考え方を確立している。また北朝鮮や中国の経済特区についてはほぼ整理がなされている。次に、現地調査の面を見ると、当初の予想よりやや不足しているが、それは相当の文献研究を進めて現地調査を行う方法が、準備不足の状態で調査するより良いだろうという判断から少し遅らせた結果であり、3年目や4年めの前半で補充すれば、研究の進展に大した障害にはならないと判断している。 このような状態を考えると「おおむね順調に進展している」と評価できると思っている。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究は、当初の計画に照らして見ると、全体的に順調に進んでいて、現地調査の面だけは少々遅れている感じがする。それから今後の研究を推進する方法は次のように整理できる。 まず、文献研究の面では、今までのとおり推進すれば、別に問題なしに進むと予測できる。次に、現地調査の面では、3年目と4年目の前半に力を入れれば、別に問題なく進むと予測できる。次に、学会などでの発表は、研究の進展を見ながら、適した機会を利用すれば良いだろうと判断している。 このように今後の研究は、今までの成果を踏まえて、文献研究と現地調査という方法で邁進すれば、所期の成果か得られると判断している。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
旅費等として実際使用した時点とそれを請求し実行された時点の差があったためである。それで、実質的には当該年度に使用したが、次年度使用額として「計算」された結果であると言える。 上に記載したとおり、今の時点からいうと、もう使用したことになる。
|
Research Products
(3 results)
-
-
-
[Book] 『Borders and Transborder Processes in Eurasia』2013
Author(s)
Jongseok Park, Mikhail A. Alexseev, Jussi P.Laine, Anton A. Kireev, Andrei B. Volynchuk and Semyon A. Korotich, Gulmira S. Sultangalieva, Alexander P. Golikov, Marina O. Dmitrieva, Naoki Amano, Jonathan Bul, Paul Richardson, Sergei V. Sevastianov, Liu Yanping, Sergei A. Ivanov, Vasilii A. Allenov, Sergei Iu. Vradii
Total Pages
249 (204 - 217)
Publisher
ロシア極東連邦大学出版会