2014 Fiscal Year Research-status Report
中国・ベトナム・北朝鮮・キューバの経済特区に対する比較研究
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24530164
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
朴 鍾碩 北海道大学, 法学(政治学)研究科(研究院), センター研究員 (60615293)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 経済特区 / 中国 / ベトナム / 北朝鮮 / キューバ / 開放 / 改革 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、中国・ベトナム・北朝鮮・キューバという、「残存社会主義4国」で推進されてきた「経済特区」の動きを比較的な観点から把握することを目的としている。それで、計画の3年目(平成26)年は、2年間の研究に続いて、文献研究をしながら、その間得られた知見を学会や研究会に参加し報告するとともに、経済特区現地に対する「現実感覚」を高めるため、現地や周辺地域を訪問し当地の研究者や一般の人々と交流する作業を進めてきた。 文献研究の面を見ると、1年目には北朝鮮に関する資料を中心に読み、2年目には中国に関する資料を中心に読み、3年目にはベトナムとキューバに関する資料を中心に読んで、これで一応研究対象になる4カ国に関する資料を基本的に渉猟することになり、自分なりの考え方を構築できるようになった。それを簡単にまとめると、中国やベトナムは、対外的開放と対内的改革を同時に積極的に推進して、成果も高いといえるが、北朝鮮やキューバは対外的開放にはある程度積極的であるが、対内的改革はためらってきたといえる。その原因は、中国とベトナムは社会主義体制という特定の制度に対するイデオロギー的な執着は弱いが、北朝鮮とキューバは強いことにあると推察される。 学会などへの参加の面を見ると、現在海外(米国ハワイ大学)滞在である関係で、滞在地の大学で行われる研究会[Asia Law Talk]に参加することを中心にしてきた。そこに積極的に参加し、報告も行って他の研究者と討論することができた。 現地調査の面を見ると、意外に米国では滞在研究者が海外旅行する際の手続きが複雑である関係で、当初の計画をちょっと修正して日本に戻ってから再開することにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、中国・ベトナム・北朝鮮・キューバという、「残存社会主義4国」で推進されてきた「経済特区」を対象にしていて、研究方法として文献研究と現地調査という方法を採択し、それから得られる知見をまとめる手順で進めている。そして今までの達成度は、文献研究と現地調査の面から判断できよう。 まず、文献研究の面を見ると、対象になる4国の経済特区に関する資料を相当集めて、それを渉猟し自分なりの考え方を構築できるようになり、それに関する本の出版を念頭に置いて執筆を進めている。それで、この面では計画よりちょっと早いと感じられる。 次に、現地調査の面を見ると、当初の予想よりちょと遅れている。それは、文献を十分読んで臨みたいという考えと、3年目に海外滞在している状況の影響を受けているためである。この遅れは、4年目に十分補えると考えている。 このような状況を総合的に考えると「おおむね順調に進展している」と評価できると思っている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、当初の計画に照らしてみると、全体的に順調に進んでいて、現地調査の面だけは少々遅れているという感じがする。それから、今後の研究を推進する方法は、次のように整理できる。 まず、文献研究の面では、今まで読んできた内容を「材料」にし、自分の考え方から捉え直すことが必要だと思っている。それは、本を念頭にする整理・執筆の過程で行えるだろう。 次に、現地調査の面では、4年目である今年に力を入れる必要がある。ちょっと遅れているが、文献準備を通じての「準備作業」が進んでいるので、大きな問題なく進めると思っている。 次に、学会などへの発表は、研究の終盤に入っていることを勘案し、個人的に積極的に参加することはもちろんのこと、当初計画した「ミニ国際討論会」を4年目か5年目の前半に開催することを目論んでいる。 このように今後の研究は、今までの成果を踏まえて、文献研究・現地調査・結果発表という方法で邁進すれば、所期の成果が得られると判断している。
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Causes of Carryover |
研究の3年目に主に海外(米国ハワイ)滞在している関係で、「現地調査」が予定とおり進めにくくなったことで、次年度使用額が生じてしまった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年、ちょっと遅れている「現地調査」に力を入れる予定であり、それに使える予定である。これは、元来の使用計画をちょっと時間ずれで使うことになるといえる。
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Research Products
(1 results)