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2012 Fiscal Year Research-status Report

冷戦期アジアにおけるポリティサイドの実証研究~インドネシア9・30後の大量殺害

Research Project

Project/Area Number 24530169
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

松野 明久  大阪大学, 国際公共政策研究科, 教授 (90165845)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywordsインドネシア / 共産党 / ポリティサイド / 冷戦 / 9月30日運動 / バリ / 国際研究者交流 / 国際情報交換
Research Abstract

当該年度に実施した研究は、現地における聞き取り調査、海外における文献調査、及び成果の一部発表である。その成果は以下の4項目をあげることができる。
第一に、7月にインドネシア・バリで行われたバリ研究の国際会議(Bali in Global Asia)において、アメリカ人研究者2名、インドネシア人研究者1名に呼びかけ、Violence Reconsidered: Balinese Politics between Tradition and Modernityというパネルを主宰した。40名程度の参加者を得てパネルは強い関心を集めたと言える。同じテーマで研究する研究者のお互いの状況把握、今後の研究について議論を行うことができた。
第二に、10月から11月にかけてコーネル大学に出張し、図書館に保存してある9・30事件関連特別軍事法廷文書を閲覧した。バリの事件(Tamuri Hidayat裁判)に関する裁判記録は現時点ではここでしか閲覧できず、貴重な資料の閲覧で研究は大きく進展した。
第三に、12月から1月にかけてバリで聞き取り調査を行うとともに、ジャカルタの社会史研究所で故人となった重要な関係者の証言テープを聴くことができた。
第四に、2月にオランダ・ライデン大学にある研究所(KITLV)にて、1965年前後の現地の地方新聞のマイクロフィルムを閲覧し、また部分的にCDRにコピーした。また、特別軍事法廷文書を閲覧した。
これらの成果から、当該年度の研究は大いに進展をみたと言える。これによって追究している歴史的事件についての輪郭がほぼ得られたことになる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

コーネル大学図書館所蔵のインドネシア特別軍事法廷文書の閲覧は当初予定に入れていなかったが、当該年度中、追究しているバリの事件に関する裁判文書の存在が明らかになり、急遽閲覧のための出張を組み入れた。このことにより研究は大いに進展し、事件の輪郭が明らかになり、順調な進展を示したと考えている。一方、当初予定に入れていたオランダ・ライデン大学の研究所(KITLV)が所蔵する同種の特別軍事法廷文書の閲覧も行った。
現地調査は、幾たびになにがしかの進展があるといった具合で進むのが常で、今回は州都デンパサールから離れた地域2箇所(シンガラジジャ、カランガサム)を中心に証言者をさがし、聞き取りを行った。シンガラジャはこれまで7年間の聞き取り調査で一人も証言者が見つからなかった地域であったが、行ってみると何人もの証言者が見つかり、大きな成果があったと言える。
7月にバリで行われた国際会議は約300人がインドネシア内外から集まる大きな会議で、1965年の事件についてわれわれが企画したパネルは参加者も多く、熱心な質疑・コメントがなされ、強い関心があることが証明され、研究の励みになった。さらにパネルを構成した研究者の交流も行い、今後の研究をお互いに知らせあい、進めることが確認された。

Strategy for Future Research Activity

今後もこれまでと同様、海外(とくに米国及びオランダ)における文献資料の閲覧、現地(インドネシア・バリなど)における聞き取り調査、国際会議などにおける成果の一部発表及び海外の研究者との交流を通じて、研究を進めていく。最終年度(26年度)には海外の雑誌に英語で論文を発表する予定である。
米国のコーネル大学は再度訪問し、閲覧を行う必要がある。閲覧する文書は、コピーのコピーで読みづらく、800ページ以上あるにもかかわらず、コピー禁止、持ち出し禁止であり、閲覧時間も10時から5時までと限られているため、読むのに膨大な時間がかかる。現地滞在して読む必要がある。
現地調査を継続して行う必要がある。これまで30人以上のインタビューを行っているが、まだ十分とは言えない。とくにバリ北部・東部方面の情報を得たいと考えている。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

第一に、現地(インドネシア・バリなど)で調査を行うため、旅費を使用する。さらに、現地では聞き取ったテープのテープ起こしに人件費を使用する。
第二に、海外(コーネル大学)での文献閲覧のために旅費を使用する。
第三に、学会ないしは国際会議での発表のために、旅費を使用する。

Research Products

(2 results)

All Other

All Presentation (1 results) Remarks (1 results)

  • [Presentation] Prelude to Extermination: Bali, October-November 1965

    • Author(s)
      Akihisa Matsuno
    • Organizer
      Bali in Global Asia
    • Place of Presentation
      Udayana University, Indonesia
  • [Remarks] ReaD & Researchmap 松野明久

    • URL

      http://researchmap.jp/conflictstudies

URL: 

Published: 2014-07-24  

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