2015 Fiscal Year Annual Research Report
グローバル化時代の民主主義の赤字に対応する市民参加ツールの研究
Project/Area Number |
24530178
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
目加田 説子 中央大学, 総合政策学部, 教授 (00371188)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 民主主義 / 赤字 / 市民 / グローバリゼーション |
Outline of Annual Research Achievements |
2015年度は、前年度に引き続き、(1)民意を具現化する試みとして注目された現象を分析し、(2)民主的プロセスを補完/牽引する具体例の検証を行った。さらに、(3)所属する日本NPO学会において「NPOと政治」スタディグループを立ち上げ、国内外の事例について議論する機会を設けた。 (1)については、主に米国(ワシントン及びニューヨーク)出張の際、大統領・議会選挙を機に表出している様々な現象から民主主義の赤字について考察する着想を得た。取り分け米国内において「民主主義とは何か」という根源的な問いが投げかけられている現状にあって、市民社会内においても危機感が高まっている現状が浮かび上がった。同時に、国内的にも安全保障法制を巡る議論が活発化したことやヘイトスピーチ等により、デモや直接行動のツールとしての有効性を問う機会が増大している実態が明らかになった。 (2)については、特にデジタル技術を用いたSNSやフェースブック、オープン・ソースとしてネット上で公開されているツールの現状について調査した。ビックデータ等を用いた統計調査を除くと、固より情報拡散による大衆動員と政策・制度作りにおける有効性は分けて論じられる必要がある一方、イデオロギーや偏見を排除したツールの抽出は困難である実態も浮かび上がった。 (3)については研究者が呼びかけ人の一人になり、政治やグローバルな参加民主主義の議論、環境や教育(政治)問題を取り上げ、議論を重ねてきた。具体的ツールの抽出には至っていないものの、国内外を取り巻く情勢分析及び問題の焦点化に大きく寄与した。取り分け、政策・制度設計、政策提言能力時におけるツール開発には依然として課題が残っている点が明らかになった。
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