2013 Fiscal Year Research-status Report
国際協調・国家利益・ナショナリズム―国内・国際リンケージの中の中国外交
Project/Area Number |
24530183
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
青山 瑠妙 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (20329022)
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Keywords | 国際情報交換 / 地域研究 |
Research Abstract |
今年度は、太平洋島しょ国に対する中国の対外政策に関して引き続き研究し、その研究成果の一部を単著『中国のアジア外交』に取りまとめた。 太平洋島しょ国においては、従来から大きな影響力を有していたアメリカ、日本に加え、オーストラリア、ニュージーランドも重要な地域大国である。近年、太平洋島しょ国に外交攻勢を強めている中国の対外政策に対するオーストラリア、ニュージーランドの認識も重要であり、太平洋島しょ国に関する中国の戦略を考慮するうえで、オーストラリア、ニュージーランドのリアクションも検討する必要がある。こうした観点から、今年度はニュージーランドを拠点として、オーストラリア、ニュージーランドの研究者との意見交換を行った。こうした交流を通じて、太平洋島しょ国に対する中国の外交攻勢について、オーストラリアとニュージーランドの両国政府が異なる姿勢を示していることを窺い知ることができた。また、オーストラリアとニュージーランドのこうした異なる認識により、アメリカのアジア回帰戦略へのコミットの仕方が異なってくることも確実であろう。 地球温暖化問題は、太平洋島しょ国にとって、喫緊の政策課題である。しかし、地球温暖化問題は、現状においては、中国と太平洋島しょ国との間で大きな外交問題として浮上していない。しかしながら、先般取りまとめられたIPCCの報告書から理解できるように、地球環境の変動をめぐる状況は深刻化の度合いを急速に深めている。こうした国際情勢なども踏まえて、今年度からこの問題に関する取り組みを始めており、来年度においてさらに研究を深めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
太平洋島しょ国に対する中国の外交政策は、中国の対外戦略全般に立脚しており、特に中国のアジア政策の延長線上に展開されている。本科学研究費で行っている太平洋島しょ国に対する政策に関する研究成果の一部は単著『中国のアジア外交』に取り入れることができた。 今年度はニュージーランドを拠点として、オーストラリア、ニュージーランドの研究者との意見交換を行った。こうした交流を通じて、太平洋島しょ国に対する中国の外交攻勢について、オーストラリアとニュージーランドの両国政府が異なる姿勢を示していること、またアメリカのアジア回帰戦略へのコミットの仕方が異なってくることを、窺い知ることができた。 地球温暖化問題は、太平洋島しょ国にとって、喫緊の政策課題であり、今年度において取り組む重要な研究テーマである。しかし予想に反し、地球温暖化問題は、現状においては、中国と太平洋島しょ国との間で大きな外交問題として浮上していない。その理由を探るべく研究は、今年度からこの問題に関する取り組みを始めており、来年度においてさらに研究を深めていく。
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Strategy for Future Research Activity |
地球温暖化問題は、太平洋島しょ国にとって、喫緊の政策課題である。しかし、地球温暖化問題は、現状においては、中国と太平洋島しょ国との間で大きな外交問題として浮上していない。しかしながら、先般取りまとめられたIPCCの報告書から理解できるように、地球環境の変動をめぐる状況は深刻化の度合いを急速に深めている。こうした国際情勢なども踏まえて、来年度においてさらに研究を深めていく。 次年度は太平洋島しょ国に対する実地調査を通じて、地球温暖化問題が外交イシューとしてなかなか浮上してこない理由を引き続き探るとともに、中国と太平洋島しょ国との関係を検討していくこととする。 ナショナリズムは近年中国の対外戦略を形成するうえで重要なファクターとなっている。中国と太平洋島しょ国との関係において、ナショナリズムがどのように影響を及ぼしており、中国政府が国際情勢をにらみつつ、どのように国内世論に対処しているかについても考察を行う。
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