2014 Fiscal Year Research-status Report
Financial Governance of UNHCR
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24530184
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Research Institution | Toyo Eiwa University |
Principal Investigator |
滝澤 三郎 東洋英和女学院大学, 国際社会学部, 教授 (30554935)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 難民の国際的保護 / 国際(地球)公共財 / 日本の難民受入れ / 日本の難民政策 / principal-agency theory / シリア難民 / UNHCRの予算・財務 / financial governance |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度における研究実績は、いくつかの成果物の出版である。成果物のの最大のものは、関連論文として出版された"The Japanese pilot resettlement program me: identifying constraints to domestic integration of refugees from Burma" (Urban Refugees: Challenges in Protection, Services and Policy (Routledge Research in Place, Space and Politics, April, 2015所蔵)である。UNHCRが推進する国際公共財としての難民保護の一つの形である再定住事業の日本への導入に際しての困難さを、管轄ギャップ、参加ギャッップ、誘因ギャップの3つで開明した本論文は高い評価を受けた。 同論文のカバーする時期を平成25年度まで広げた邦文論文として、墓田圭ほか編、「難民・強制移動研究のフロンティア」所蔵の「難民第三国パイロット事業:難航の背景を探る」が平成26年3月に出版された。 Financial Governanceの本論文は、UNHCRをPrincipal-Agency ModelのAgentと位置づけ、その果たす機能のうち、agenda-setting, transparency enhancement, agency cost reductionが、UNHCRのrelevance を保つ上で大きな役割を占めていることを明らかにする。 研究に密接に関連した活動としては、平成26年の移民政策学会の冬季大会(@大阪大学)で日本の難民政策についてのシンポジウムを組織したほか、27年2月の東大で同趣旨でのセミナーを開催し、官民学連携の場として「難民政策プラットフォーム」を立ち上げた。また27年には、地中海での難民船沈没事故や、日本の難民受入数がごく少ないことの背景について、5月9日NHK「ニュース深読み」の生放送、4月25日大阪朝日放送の「正義のミカタ」の生放送のほか、NHKやテレビ東京のニュースにも録画出演した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
関連論文の出版は順調に進行し、またメディアでの難民問題(UNHCR)についての啓発活動など社会還元活動は予想以上に進んだが、本論文については、UNHCR本部でのインタビューが一年遅れとなり、結果的に最終年度が一年ずれ込んだ。
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Strategy for Future Research Activity |
本論文の執筆を続ける他、日本関係については、平成27年5月30日の移民政策学会での冒頭の特別講演で「日本の難民政策」と題して講演し、その中でprincipalである日本政府から見たagentとしてのUNHCRに触れる。また、平成27年6月13日の開発学会でも同趣旨の発表を行うことが決定済である。
関連論文の「日本の難民認定政策」は、東洋英和女学院大学大学院紀要(平成28年3月刊行)に掲載予定である。 本論文Financial Governance of UNHCRについては出版先はまだ未定であるが、学外の研究誌への投稿を予定している。
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Causes of Carryover |
2015年3月のUNHCR本部での常設委員会(Standing Committee) に出席し、幹部とのインタビューを予定していたところ、関係幹部が退職したため、2015年10月の執行委員会(ExeutiveCommittee) 参加に延期したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ジュネーブまでの旅費と宿泊費。
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Remarks |
フェースブックで「難民政策プラットフォーム」を作成した。ウエブについてはwww.Ref-Netを購入しており、日本の難民政策関係のサイトとする予定。
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Research Products
(7 results)