2015 Fiscal Year Annual Research Report
Financial Governance of UNHCR
Project/Area Number |
24530184
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Research Institution | Toyo Eiwa University |
Principal Investigator |
滝澤 三郎 東洋英和女学院大学, 国際社会学部, 教授 (30554935)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 日本の難民政策 / financial governance / 国際公共財 / 移民政策 / 費用分担 |
Outline of Annual Research Achievements |
1) 本研究の主題である「UNHCRのFinancial Governance」は、深刻な国際問題と化したシリア難民危機の中でそのrelevanceを急に増している。つまり膨大な数の難民・国内避難民の国際的保護のコストを、どの国がいかに負担分担するか、その中でUNHCRの果たす役割は何かという問いは、国連やヨーロッパ諸国にとって喫緊の課題である。 2) 2015年度における本研究とその成果の社会的還元は、そのような問いを中心になされた。まず社会的還元の面では、NHK総合テレビの「ニュース深読み」(2015年5月9日)や「日曜討論」(10月4日)などいくつかのテレビ解説番組にスタジオ出演したほか、新聞では日本経済新聞「経済教室」(10月30日)や「アジアインタビュー」(9月17日)のほか、朝日、読売、毎日新聞で、国際公共財としての難民保護体制を維持するための日本の難民政策にかかる分析と提言を行った。 3) そのほかの啓発活動としては、講演やシンポジウムなどを1年間で20回ほど実施し、特に若者の間の難民問題への関心の増進に務めた。 4) 著書・論文の面では、日本の難民第三国定住事業の批判的分析が共著「Urban Refugees:Challenges in protection, services and policy」中に所収されたほか、“Financial Governance of UNHCR (Part I)が東洋英和女学院大学院紀要に掲載された。また「日本の難民政策:国際公共財の観点から」が移民政策研究に掲載されたほか、第三国定住事業やシリア難民問題にかかる論考が「法律のひろば」などに掲載された。 5) 結果的に本研究はタイムリーなテーマを扱うことになり、難民問題についての理解の増進と、日本政府の難民政策にも少なからぬ影響を与えたと言える。
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