2013 Fiscal Year Research-status Report
アーサー・レオン・ボウレイの研究-マーシャル経済学の継承とその展開-
Project/Area Number |
24530216
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
近藤 真司 大阪府立大学, 経済学部, 教授 (50264817)
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Keywords | 国際情報交換 / LSE / ケンブリッジ学派 / マーシャル / ボウレイ / 経済学教育 / 統計学教育 |
Research Abstract |
平成25年度も昨年に引き続き,アーサー・レオン・ボウレイ(Arthur Lyon Bowley, 1869-1957)の統計学・経済学方法論をとりあげ,アルフレッド・マーシャル(Alfred Marshall, 1842-1924)の経済学の継承と展開を検討した。今年度は,昨年度に経済社会学会での報告をさらに進めるため,最近のボウレイ研究であるAndrew I. Dale and Samuel KotzのArthur L.Bowley: A Pioneer in Modern Statistics and Economicsを検討した。その過程において,本書の内容に関して論評を加えるため,『経済学史研究』55-1(2013年7月)に書評としてまとめた。 平成25年度は,ウエスタン・オーストラリア大学で7月4日~6日に開催されたオーストラリア経済学史学会(The History of Economic Thought Society of Australia)でA Study of Methodology on Arthur Lyon Bowleyというタイトルで報告を行った。本報告の内容についてのコメントをもとに,論文の修正を行い,平成26年5月29日~31日までスイスのローザンヌ大学で開催されるヨーロッパ経済学史学会(The European Society for the History of Economic Thought)において, A Study of Methodology on Arthur Lyon Bowley and Alfred Marshallというタイトルの報告の準備を行い,報告希望が認められた。 平成24年度9月に北海道大学で開催された経済社会学会の報告原稿に修正を加え,「アーサー・レオン・ボーリーの統計学方法論」というタイトルの原稿を経済社会学会誌に投稿を行い,本原稿が採択され『経済社会学会年報XXXV』(2013年9月出版)に掲載された。 さらにマーシャルの方法論の研究として,「マーシャルと有機的成長」(柳田芳伸・諸泉俊介・近藤真司編著『マルサス ミル マーシャル-人間と富の経済思想』,昭和堂,2013年)というタイトルの論文において,マーシャルの研究の初期から晩年までの彼の経済学における関心事とその方法論についてまとめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成24年度9月に北海道大学で開催された経済社会学会の報告原稿に修正を加え,経済社会学会誌に投稿を行い,原稿が採択され『経済社会学会年報XXXV』(平成25年9月出版)に掲載された。 上記の論文をさらに推し進め,ウエスタン・オーストラリア大学で平成25年7月4日~6日に開催された経済学史学会(The History of Economic Thought Society of Australia)でA Study of Methodology on Arthur Lyon Bowleyと言うタイトルで報告を行った。本報告でのコメントを参考にして研究をさらに進め,平成26年5月29日~31日までスイスのローザンヌ大学で開催されるヨーロッパ経済学史学会(The European Society for the History of Economic Thought)において, A Study of Methodology on Arthur Lyon Bowley and Alfred Marshallというタイトルの報告希望が認められた。 その過程において,最近のボウレイ研究であるAndrew I. Dale and Samuel KotzのArthur L.Bowley: A Pioneer in Modern Statistics and Economicsとタイトルの研究を検討し,本書の内容に関して『経済学史研究』55-1(2013年7月)に書評としてまとめた。 さらに,マーシャルの方法論の研究として,「マーシャルと有機的成長」(柳田芳伸・諸泉俊介・近藤真司編著『マルサス ミル マーシャル-人間と富の経済思想』,昭和堂,2013年)というタイトルの論文において,マーシャルの研究の初期から晩年までの彼の経済学における関心事とその方法論にまとめた。
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Strategy for Future Research Activity |
3年間の研究期間の最終年度として, これまでボウレイの統計学・経済学方法論をとりあげたものをもとに,本研究の主題である「ボウレイ研究」 として,彼とマーシャル経済学の継承と展開を検討する。 平成26年5月29日~31日までスイスのローザンヌ大学で開催されるヨーロッパ経済学史学会(The European Society for the History of Economic Thought)において, A Study of Methodology on Arthur Lyon Bowley and Alfred Marshallというタイトルの報告が認められた。本報告のワーキング・ペーパーの準備を行うとともに,報告後に学会でコメントを参考に論文の加筆・修正を行いたい。 これまで,海外・国内の学会(平成24年・25年・26年)において報告したものをもとに, その成果を海外雑誌に投稿することを最終年度の研究計画では考えている。 そこで,平成24年・25年度の研究をもとに, ボウレイの統計学の経済学への応用に関して,経済学説上,他の経済学者にどのような影響を与えているのかを明らかにしたい。それにより,ボウレイの経済学説上の位置づけを行うことができると考えている。 さらに今後の研究の発展として,ケンブリッジ大学とLSEの応用経済学の検討を行いたい。ケンブリッジ大学への応用経済学の講座創設に関して,ケンブリッジ大学からケインズとヘンダーソン, LSEからボウレイとベヴァリッジがメンバーとなり,まとめられたものがLondon and Cambridge Economic Serviceという雑誌である。 この雑誌の分析から当時の両大学における応用経済学について明らかにすることができる。そこで, LSEとケンブリッジの関係について,これまでの対立関係としてみてきた両者の関係を再検討することができるであろう。さらに,本研究の主題であるボウレイのケンブリッジ学派での位置づけを行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究計画書で計上していた金額(50000円)以上に,論文の英文チェックの費用(96,531円)が高くなり,その分を人件費・謝金(100000円)から50000円を回し,人件費・謝金を使用しなかった。その残余分の50000円を繰り越した。 今年度は,昨年の残余分の50000円を5月にスイスのローザンヌ大学で開催されるヨーロッパ経済学史での参加費用として使用する予定である。学会の参加申請を行ったが,スイスはヨーロッパの中でも特に物価が高く,旅費,宿泊費,参加費が予想した以上に高かったため,予定していた予算を超える可能性があるため,上記のような措置をとりたい。
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Research Products
(4 results)