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2013 Fiscal Year Research-status Report

経済の不平等度の計測に対する統計的モデリングおよび計算機インテンシブ・アプローチ

Research Project

Project/Area Number 24530222
Research InstitutionChiba University

Principal Investigator

西埜 晴久  千葉大学, 法経学部, 准教授 (20305410)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 各務 和彦  千葉大学, 法経学部, 准教授 (00456005)
Keywords所得分布 / ジニ係数 / 一般化ベータ分布 / MCMC法
Research Abstract

本年度の研究成果として、具体的には以下の2つの内容となる。
1)5つのパラメータをもつ一般化ベータ分布を用いた所得分布の推定の研究を行った。
この一般化ベータ分布は第1種の一般化ベータ分布および第2種のベータ分布、さらには、Singh-Maddala分布、ガンマ分布といった所得分布の推定に用いられる分布を広範に含む重要な分布である。しかしながら、パラメータの数が5つと多いことから通常の最尤推定では、推定値が不安定になり、また、初期値の選び方も難しかった。そこで、シミュレーションによって事後分布を求めるベイズ的なMCMC法による推定法を開発することで、パラメータ数の多い分布においても適用できる推定法を開発した。また、一般化ベータ分布およびそれに含まれる種々の分布のジニ係数を数値計算も利用して計算を行った。
2)不平等度を表現する対数正規分布を仮定したもとでの確率的ボラティリティモデル
に対して、不平等度を表すパラメータの変化にランダムウォーク型を仮定した場合のモデルおよび定常性を仮定した場合のモデルを推定して、2つのモデルの比較を行った。日本の家計調査のデータを用いてモデル比較を行った結果、ランダムウォーク型のモデルよりも定常性を仮定したモデルが選ばれることが分かった。
これらの研究は、MCMC法といった計算機インテンシブな方法を用いることで、所得分布を精緻にモデル化し、また時系列へと拡張するためのモデルを与えている。したがって、現在関心を集めている所得分布を精緻に分析するために有用な手法を提供していると考えている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

一般化ベータ分布といった5つのパラメータを持つ複雑な分布に際しても、ベイズ流のMCMC法のよる計算法が提案でき、また、不平等度を表すパラメータがランダムウォーク型をの振る舞いをするモデルについても推定ができたので、研究の目的はおおまかに達成されていると考えている。一方、まだ、投稿論文として完成されていないので、それは急務の課題であろう。

Strategy for Future Research Activity

今後は、研究成果のうちまだ論文として出来上がっていないものがあるので、早急に論文として完成させて学術誌に投稿する。また、今後の研究課題としては、一般化ベータ分布に含まれる種々の分布の関係およびその他の4つ以上のパラメータを含む分布の性質およびそのジニ係数の数値的な導出は、それらの分布の推定と組み合わせて、より深く調べる必要があると考えている。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

論文投稿が予定より遅れており、英文校正等の費用を確保する必要があったためと、学会報告のための旅費を次年度に多めに確保するためである。
英文校正の費用および旅費に充当する予定である。

  • Research Products

    (7 results)

All 2014 2013

All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (4 results)

  • [Journal Article] 第2種の一般化ベータ分布について2014

    • Author(s)
      西埜晴久
    • Journal Title

      千葉大学経済研究

      Volume: 28 Pages: 157-172

  • [Journal Article] 家計調査からみた日本の所得分配: Singh-Maddala分布による検討2013

    • Author(s)
      各務和彦
    • Journal Title

      千葉大学経済研究

      Volume: 28 Pages: 83-99

  • [Journal Article] Bayesian Whittle Estimation of ARFIMA model2013

    • Author(s)
      Haruhisa Nishino and Kazuhiko Kakamu
    • Journal Title

      Advances and Applications in Statistics

      Volume: 37 Pages: 149-170

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] A random walk stochastic volatility model for income inquality2013

    • Author(s)
      H. Nishino
    • Organizer
      7th International Conference on Computational and Financial Econometrics
    • Place of Presentation
      University of London
    • Year and Date
      20131214-20131216
  • [Presentation] 家計調査からみた日本の所得分配: Singh-Maddala分布による検討2013

    • Author(s)
      各務和彦
    • Organizer
      計量経済分析の最近の展開
    • Place of Presentation
      長崎県立大学佐世保校
    • Year and Date
      20130817-20130818
  • [Presentation] t分布のイノベーションを持つARMAモデルの推定について2013

    • Author(s)
      西埜晴久
    • Organizer
      計量経済分析の最近の展開
    • Place of Presentation
      長崎県立大学佐世保校
    • Year and Date
      20130817-20130818
  • [Presentation] Bayesian estimation of beta type distribution parameters based upon grouped data2013

    • Author(s)
      K. Kakamu
    • Organizer
      Econometric Society Australasian Meeting 2013
    • Place of Presentation
      the University of Sydney
    • Year and Date
      20130709-30130712

URL: 

Published: 2015-05-28  

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