2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24530223
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tottori University of Environmental Studies |
Principal Investigator |
高橋 一 鳥取環境大学, 経営学部, 教授 (70154838)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | Implied probability / Credit Risk / Statistical Analysis / Liqudity |
Research Abstract |
Takahashi(2011)では理論モデルとしてDuffie+Singleton(1999)がもちいられていたがH24年度ではJarrow+Turnull(1995)等の異なる理論モデルで同様の分析を行った。結果は現在研究代表者が博士論文を指導している早稲田大学の戸辺助手の博士論文(一橋大学へ提出予定)の一部となる予定である。24年度において次に取り組んだ問題は当初の計画には無かったがImpliedDataより求められた個々の企業や格付け毎の平均Default率(信用リスク)のみではスプレッドの変動を完全に説明出来ないという実証結果を本研究に如何に取り入れるかである。多くの先行研究が示唆しているようにその原因の一つに社債と国債との流動性の差がある。しかし、それら先行研究に於いて流動性はキチンと定義されること無く幾つかのproxy変数で代用されている。本研究に於いては先ずDuuffie+Singleton(1999) 等で議論されているDefaultableな債券の価格決定モデル(理論)に自然な形で流動性を導入する方法を提案・考察した。基本的な考えは、流動性の欠如により価格決定メカニズムにより多くの攪乱要因が混入してくる。その結果、Underlying確率変動が持つボラティリティーは流動的な債券の場合より大きくなると考えモデル化を図った。又、非流動的な債券は連続的に取引されない事より基本的に離散時間モデルで表現される。これらを勘案し新たなモデル構築を試みた。一方、実際のデータより効率的にデフォルト確率を推定する方法についてもキチンと考える必要がある。その上でImpliedDataに基づく我々の方法の長所・欠点もより明らかになってくる。この点に関しては早稲田大学の戸辺助手との共同研究と関連させながら進行している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.異なる理論モデルJarrow+Turnull(1995)へのTakahashi(2011)モデルの適用について、結果はは Duffie+Singleton(1999)モデルの場合とと余り変わらない。進捗状況はほぼ計画通りである。 2.単純な比較は出来ないが、Impliedなデフォルト確率(リスク中立的世界)が実確率の基で推定されたものより大きな事は之までもよく知られていた事実である。本研究においても、手法の時系列やより安定的な推定量を求める手法の開発等への拡張等に進む前に、この問題をある程度クリアーする必要があると判断した。そこで24年度では計画を若干変更、流動性について既存研究のチェックと新たな方法論の展開を試みている。当初の目的には無かった部分であり、その分当初計画はやや遅れている。 3.データ解析については、既存のデータベースからのデータ入手が難しく少々遅れている。東京に居る協力者にお願いしデータの収集と整理をやっているが月に2度ほど私が上京し指示を与えつつ奨めている状況である。データ解析の一部はH25年3月、一橋大学におけるコンファランスでも報告された。
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Strategy for Future Research Activity |
1.今年度は、先ず流動性の問題をキチンと整理し理論モデルを完成し公表(論文及び学会 等での発表)する予定である。本研究者の方法に基づけば基本的に之までの理論 (Implied Dataに基づく統計解析)はそのまま適用可能となる。従って、予定していた研究計画はそのままの形で遂行できると考えている。 2.Takahashi(2011)では均一分散型モデルであったが、不均一分散モデルへの拡張を試み る。今年度は主に理論モデルの構築を目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1.24年度に予定していた海外出張については今年度実施する予定である。新しい大学へ移ったこともあり、経理システムが之までと違い経費の使用に不自由を感じていたこと も事実である。今年度は、共同研究者との打ち合わせも増える為、国内出張が多くなる 予定である。 2.海外出張については、Harvrd大学のChernoff教授、Boston大学 Guasoni準教授との研究打ち合わせを予定している。 3.昨年度購入予定であったData解析用のコンピュータの購入を予定している。
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