2014 Fiscal Year Annual Research Report
コピュラを用いた生存時間データと順序データの分析手法の開発
Project/Area Number |
24530227
|
Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
小林 正人 横浜国立大学, 国際社会科学研究院, 教授 (60170354)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | Gaussian copula / 裾依存性 |
Outline of Annual Research Achievements |
金融収益の相関構造は多変量正規分布では表現できないことが、知られており、そのためcopula(周辺分布に一様分布の周辺ぷ分布を持つ同時分布)を用い、周辺分布と相関構造を分離したモデリングが有効と考えられ、正規、 クレイトンなど様々なcopulaが提案され、そのパフォーマンスが研究をおこなったところ、(1)平常時と危機時での相互依存性の強度の変化は大きく、(2) 単一のcopulaでは十分にその変化を表現することはできないことがわかってきた。(3)危機時、好況期には分布の形状はきわめて非対称的であり、非対称性を無視した推定では相互依存性の推定に偏りが発生すること、の以上の三つが確認できた。 以上の結果に基づき、多変量分布の非対称性、相互依存性の変化を持つ、柔軟なcopulaの開発を行った。この際、R上にパッケージとして公開された様々な数値計算アルゴリズムを利用することにより、きわめて効率的に研究を遂行できた。2000年以後の各国(USA,UK,日本)の株式市場のindexによる日次収益率の依存関係をempiricalな下側裾依存性によって計測し、それを最尤推定による複数のモデルによる下側裾依存性の予測パフォーマンスとの比較検討を行った。ただし、相互依存関係の推定に注意を集中するため、周辺分布は共通したt分布を利用した。その結果、われわれの開発したcopulaと比較したところ、下側5パーセント点における下側裾依存性において、比較対象よりも優れていることが示された。
|