2014 Fiscal Year Annual Research Report
2008SNAの検討――生産の境界・資本の境界・市場の境界
Project/Area Number |
24530233
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Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
作間 逸雄 専修大学, 経済学部, 教授 (50114947)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牧野 好洋 静岡産業大学, 経営学部, 准教授 (00288424)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 国民経済計算 / 暖簾 / 貴重品 / 2008SNA / サテライト勘定 / SEEAセントラルフレームワーク / CGEモデル / PPP |
Outline of Annual Research Achievements |
本プロジェクトの研究目的は、国連国民勘定体系、いわゆるSNAに関わる諸課題を、概念上、実施上の問題、モデルへの応用といった、複数の側面から多面的に検討することである。最終年度においても、前年度に引き続き、こうした研究目的に即した研究を実施した。 研究代表者である作間は、SNAの物価指数体系としての側面が持つ意義を考察した。企業の投資活動の決定に関する要因としての実質利子率、すなわち名目利子率マイナス期待物価上昇率の計測にもちいられるべき物価指数がどのようなものであるべきかということは政策形成の観点からも重要である。それがCPIでなく、産業別営業余剰デフレーターであること、そうした考察のもとに、実質利子率の産業間較差の存在が確認され、それが産業構造の転換を導く要因となりえることを示した。また、暖簾概念の考察を行なった。前年度までに考察対象とした貴重品などとともに、「資本の境界」というテーマとつながる。 研究分担者である牧野は、08SNAおよびサテライト勘定の課題を環境と物価指数の2点から検討した。「環境」については、第一に、SNAサテライト勘定の特徴を生かし、日本版SEEA-Waterと国民経済計算、産業連関表などの情報を接合し、日本版NAMWA(National Accounting Matrix including Water Accounts)を作成し、経済・環境の相互依存性を分析した。第二に、SEEAセントラルフレームワークの水勘定とSEEA-Waterの構造比較を行った。両者はともに水を対象とするが、その構造は異なる。ここでは二つの環境経済勘定の相違点、類似点を整理、次に構造の相違の背後にある、各環境経済勘定の目的の違いを考察した。「市場の境界」というテーマにつながる。 さらに、SNAの物価指数体系としての側面には、購買力平価の計測というそれが含まれている。作間および牧野は、CGEモデルを生かしたPPP計測に取り組んだ。
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