2013 Fiscal Year Research-status Report
高血圧治療における費用効用分析-国民医療費の低下を目指して-
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24530239
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 美帆 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70579622)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柿原 浩明 京都大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (20351314)
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Keywords | 原発性アルドステロン症 / 費用対効果 / 費用効果分析 / マルコフモデル / デシジョンツリー / 高血圧 / 国民医療費 / 副腎静脈サンプリング |
Research Abstract |
【QOLアンケートの実施】昨年から準備を進めてきたアンケート様式(EQ-5D、SF36、および排尿調査)を用い、原発性アルドステロン症を疑い東北大学病院へ紹介された対象患者に対するQOLアンケートの実施、2回の集計を行った。外来27件(回収率71%)、病棟22件(回収率95%) 達成度の欄に詳細を述べるが、実施、集計の結果、測定点においていくつかの問題点が浮き上がり、改善に務めるため、26年度においても引き続き調査を続ける予定である。 【仮の生存年数を用いた分析】平行して行われている臨床試験 PASSにおけるイベント発生率は依然として調査中であるため、文献引用による生存年数と、昨年度当院にて実測を行った医療費を用いて、我々の推奨する原発性アルドステロン症の積極的診断を行う場合と、投薬による治療を行った場合を比較し費用対効果分析を行い、感度分析まで行った。結果は6月に行われた国際医療経済学会で発表済みである。今回の分析結果では積極的診断は薬物療法より費用が増大させるが、効果とした生存年数をわずかに延長させ、感度分析によるといくつかのパラメータを変化させると、この結果は変動する事もわかった。これは、研究開始当初に文献引用にてシミュレーションを行った結果と相違なく、今後はQOLアンケートの集計を行い、生存年数だけでは表現できない効果について評価することが最終目標である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
QOLアンケートの実施を行ったが、予定していた内のいくつかの調査点のアンケート実施が行われていないことが明らかになった。具体的には、1.外来・カプトプリル負荷試験再来時 2.入院・術後 3.6ヶ月毎のフォローアップ時の3点で、本調査票は外来ドクターから直接手渡しで対象患者に記入をお願いしているが、検査来院などでドクターと対面ない来院も調査点に含めてしまったこと、また入院においては、手術時の入院病棟が本研究の協力科で腎・高血圧・内分泌科ではなく泌尿器科入院であり、ドクターからの依頼ができていないことが明らかとなった。これらの問題は、現在臨床担当のドクターと検討中である。 その他のデータの収集、および調査結果の分析方法についての骨組みはすでに準備されており、来年度は前半にQOLの回収作業と分析に集中し、後半にそれらのデータを用いて分析結果としたい。
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Strategy for Future Research Activity |
アンケート調査の欠測している調査点について、再調査が可能であるかの検討をした後、可能であれば、前半の半年間で調査を行う。再調査が難しい時には、現在調査できている部分により、補完することが可能であるか再度検討を行う。 上記のアンケートデータを収集した後、集計を行い、EQ-5Dの調査票を用いてQALYsの換算を行う。また、SF36、排尿調査に関してもこれまでPAに特化したQOLの評価は国内で報告されていないため、QOL結果についてもまとめる。 QALYsのデータを用いて、モデルを用いた費用対効果を再分析し、感度分析を行った結果を、論文としてまとめる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は、隔年開催の国際医療経済学会が開催された年であった。医療経済学者からの有用なコメントやアドバイスを得るために、研究協力者からの助言もあり、医療経済学会に参加した。また、精度の高い分析を行うためヨーク大学で行われた、医療経済分析の短期講座にも参加したため、当初予定していた、物品や諸々の経費が不足し、次年度より繰り上げ使用することとなった。これによる、次年度の予算への影響はない。 旅費(学会における研究結果の発表)謝金(アンケートの実施、および集計に関わる助手 )物品(解析ソフトウェアのアップデート費用)その他(論文投稿に関わる英文校正費、投稿費など)
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Research Products
(1 results)