2014 Fiscal Year Annual Research Report
ストック外部性と戦略的相互依存関係の下での国際貿易に関する理論的研究
Project/Area Number |
24530240
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
柳瀬 明彦 名古屋大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (10322992)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 公共中間財 / 動学的貿易モデル / 貿易パターン / 貿易利益 / 環境汚染 / 再生可能資源 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、1. 越境汚染ストックの影響が存在する下での貿易自由化の短期的・長期的効果、2. 公共中間財のストック外部性が存在する下での大国間の貿易および国際援助の効果、3. 再生可能な天然資源の利用と戦略的貿易・資源管理政策、という3つのサブテーマについて新たな理論的知見および政策的含意を導くことを通じて、資源・環境問題やインフラ整備のような、ストックとしての外部効果の存在する経済における、経済主体間の戦略的関係が存在する下での国際貿易と外部性ストックとの相互関係を理論的検討するものである。今年度は各サブテーマに関して、以下の研究成果が得られた。 1.については、越境的汚染が存在する世界経済におけるパレート最適な課税システムについて理論的に検討し、論文にまとめ国際学術誌に投稿した。 2.については、公共中間財ストックの生産性効果が存在する2国多数財リカード・モデルを構築し、各国の貿易パターンや貿易利益の効果について検討した。また、公共中間財が混雑効果をもたらすような2国2財静学的貿易モデルを構築し、貿易パターンの決定について理論的および実証的に検討した。これらの研究はそれぞれ国際学会で発表した。さらに、公共中間財が混雑効果をもたらす小国の動学的貿易モデルの論文を修正し、国際学術誌に投稿した。 3.については、工業と一次産品から成る2部門モデルにおいて、工業生産からの環境汚染と一次産品生産に伴うオープンアクセスの下での天然資源採取の両方から環境資源ストックの減少が発生する状況を想定し、貿易パターンの決定や貿易の厚生効果について検討した。研究成果を論文にまとめ、国内の学会で発表した。
|
Research Products
(7 results)