2012 Fiscal Year Research-status Report
財の要素含有に着目した環境と貿易及び貿易政策に関する研究
Project/Area Number |
24530246
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
神事 直人 京都大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (60345452)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 要素含有分析 / 温室効果ガス / 貿易政策 |
Research Abstract |
当該年度の研究実績は次の通りである. まず,「貿易財に体化された汚染物質の排出量に関する実証分析」については,研究協力者であるWest Virginia University助教授の西岡修一郎氏と分析方法等に関して打ち合わせを行った結果,まずは日本企業の温室効果ガス排出行動に関する分析から着手することにした.そのために必要な企業レベルの温室効果ガス排出量データを収集するとともに,個別企業の特性に関するデータとして財務データや海外進出状況等に関するデータの収集を行い,データを加工する作業を進めた.関連する先行研究や文献・資料等も収集し,分析の視点や分析手法に関する検討も行った. また,「財の要素含有に基づく貿易及び貿易政策に関する理論的分析」については,当該分野の研究動向のサーベイを行うとともに,国際経済法の専門家らからWTOにおける最新動向の聴取調査を行い,研究遂行に必要な情報収集を行った.それらを踏まえて,既存モデルを応用したモデルの構築と予備的分析を行った.特に,完全競争一般均衡貿易モデルにおいて,生産段階から温室効果ガスが排出されるケースにおいて,輸入国側が炭素関税や国境税調整等の政策を実施する場合の効果について理論的に分析した.さらに,関連する研究課題に関して研究代表者が過去に実施した研究を発展させた論文を2本執筆した結果,査読付学術専門誌への掲載が決定した.うち1本の論文は,企業が自主的環境配慮行動をとる際の貿易政策に関して分析したものであり,もう1本は外国企業が社会的ダンピングを行う場合の貿易政策に関して分析した論文である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り,研究協力者と打ち合わせを行うとともに,実証分析に使用するデータの収集を行った.また,理論分析に関しては,既存モデルのレビューを行うとともに,専門家からの聴取調査を行い,それらに基づいた予備的分析を行った.
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Strategy for Future Research Activity |
実証分析に関しては,すでに収集したデータの加工作業を進めるとともに,追加すべきデータを検討した上で,本格的分析に着手する.研究協力者とも十分な打ち合わせを行う. また,理論分析に関しては,予備的分析の結果について十分検討した上で,本格的分析を進め,成果を論文に取りまとめて研究会や学会等で報告する.その際に得られた助言等を参考にモデルの改良や更なる分析を進めていく.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし.
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