2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24530248
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松島 法明 大阪大学, 社会経済研究所, 教授 (80334879)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 敏弘 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (70263324)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 技術投資 / 寡占市場 / 垂直取引 / 国際情報交換 |
Research Abstract |
研究計画に従い、生産技術や技術投資に関連する研究を進めてきた。その中から3つほど紹介する。 計画で挙げた競争環境の変化と技術投資の関係について議論した論文である。この論文では、新興国企業の隆盛が、市場を先導している企業の投資活動へ与える影響について分析した。新興国企業の費用面の改善と品質面での改善には投資活動への影響が大きく異なることを明らかにした。これは、台湾・東海大学の劉教授に事例を紹介して頂いたため、劉教授との共同研究として進め、ディスカッションペーパー(DP)にした(ISER DP-854)。 製品差別化と価格差別(価格戦略)の関係を考慮した技術投資に関する研究も進めた。一部の小売店では個別消費者ごとの価格差別戦略を採用しているが、このような戦略を採用するか否か判断する際に営業効率性改善努力(ある種の技術投資)の問題が影響することを明らかにした。品質や費用の面で優位性を持っている企業が価格差別戦略を採用しやすいことも明らかにした。これはDPにして投稿している(ISER DP-869)。 24年度中に公刊が決まったMatsumura and Matsushima (2012, JER)を拡張して港湾の民営化と港湾業務改善投資の関係について分析を行った。国間の輸送環境が改善することで港湾の民営化が起こりやすくなることを明らかにした。また国の市場規模が小さいほど民営化が起こりやすく、民営化された港湾と公営の港湾が共存する市場環境では民営化された港湾の方が業務改善努力の誘因が強いことも明らかにした。これらの結果は関連する実証研究の結果や実際の動きとも一定程度の関係がある。これはDPにして投稿している(ISER DP-864)。 他、24年度中に技術投資や技術移転に関連する研究を含む幾つかの論文が査読付き学術誌に受理された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通りに研究を遂行した結果をディスカッションペーパーとして発行するとともに、並行して進めている研究が順調に査読付き学術誌に受理されている。査読付き学術誌への公刊論文数は想定していたよりも多く、当初の想定をやや上回っていると判断してもいいかもしれないが、質の面で向上させる余地があるので「おおむね順調に進展している」と判断するのが妥当だろう。
|
Strategy for Future Research Activity |
現行通り、各自の役割を果たして成果を継続して出せるようにする。ここまで順調に進捗しているので、大きな変更をする必要はないと考えている。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし。
|
Research Products
(21 results)